HANA、ちゃんみな、岩崎宏美の並びが発見させてくれた『紅白』の価値 放送100年、異なる時代が共存する音楽番組のあり方

 誰もが知るヒット曲を揃えることが難しくなるなかで、戦後まもなくからの歴史を持つ『紅白』が今後取り組むべきは、音楽を通じて昭和、平成、令和をいかに共存させるかということだろう。3つの時代を切り離してしまうのではなく、いかにつなげるか。奇しくも今回の『紅白』のテーマは「つなぐ、つながる、大みそか。」だった。

 具体的には、曲順なども重要になってくる。たとえば、その意味で今回味わい深かったのは、HANA、ちゃんみな、そして岩崎宏美の並びだった。

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 HANAが社会現象になったオーディション番組『No No Girls』を経てちゃんみなのプロデュースでデビューしたのは知られている通り。そのデビュー曲「ROSE」から始まり、ちゃんみなが歌う『No No Girls』のテーマソング「NG」、そしてオーディションの最終審査でも歌われた「SAD SONG」の両者のコラボへと続く流れは、メッセージ性の強い歌詞も相まって令和という時代を深く印象づけた。

 そのすぐ後に登場した岩崎宏美も、昭和の画期的オーディション番組『スター誕生!』の出身である。抜群の歌唱力でアイドルの黎明期をけん引したひとりだった。

 今回歌った「聖母たちのララバイ」は昭和を代表するヒット曲。だが改めて聞いてみると、ともに女性の生きかたを表現した「NG」と「聖母たちのララバイ」のあいだには、令和と昭和の違いもあるが、根底では近いものも感じた。それは、「SAD SONG」でHANAのメンバー一人ひとりを見つめるちゃんみなの慈愛あふれるまなざしに、やはり“聖母”を見たからかもしれない。

 そこには、時代の差を超えて音楽にふれることができる『紅白』ならではの発見があった。個々の歌手の質の高いパフォーマンスだけでなく、よりこうした配列の妙が見られるようになれば、音楽番組としての『紅白』の価値もいっそう高まるのではないか。

 「時代の多様性」をどう表現し、異なる時代が共存する音楽の広場をつくるのか。進行で不自然な間が空いたことなど少し気になる点はあったものの、今後目指すべき方向性が見えた『紅白』だったように思う。

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