GENERATIONS、『TGC』を公式オマージュした“やりたい放題”の祭典 5時間半に及ぶ『GENEコレ』徹底レポ

 濃厚すぎる第1部を終えて、各メンバーによるプロデュースステージは折り返し地点を迎えた。第2部の先陣を切ったのは、フットワークに定評のあるパフォーマー・小森による『TAP INTO STORY STAGE』。安達雄基・gash!(Beat Buddy Boi)・STUDIO NOTEダンサーと共に総勢30名でストーリーを描き出す、臨場感たっぷりのタップダンスショーケースである。小森曰く、自身のキッズダンサー時代を振り返り、“少年の夢”をテーマに制作したそうだが、特に印象的だったのは、GENERATIONSの「涙」(ピアノインスト)に合わせて女性ダンサーと舞ったペアダンス。笑顔のイメージが強い彼だけに、悲哀を滲ませた表情が新鮮に映った。1度目のソロステージでは言葉で観客の心を掴んでいた小森が、肉体のみで表現するというギャップも、長時間イベントだからこそ生み出されたものだろう。

 数原龍友のライフスタイルをテーマに展開するブランド『NO PAIN NO GAIN』と、ファッション誌『ViVi』(講談社)がコラボレーションした『NO PAIN NO GAIN STAGE』では、ソロアーティストKAZの活動を支えるバンドチームがスタンバイし、まるでサーフィン好きな彼の家に遊びに来たような雰囲気に。心地よい波の音と、「Beautiful Sunset」「Go Your Way」「Hush hush」といったソロ曲がゆったり広がった。そんな夕暮れのランウェイを舞台に、数原ディレクションの最新コレクションを、シークレットゲストの藤田ニコルや現役ViVi モデル(アリアナさくら・有坂心花・雑賀サクラ・ブリッジマン遊七・村上愛花)、後輩グループ・WOLF HOWL HARMONYのメンバーが華やかに披露。スペシャルゲストとして愛犬の殿と若がステージに呼び込まれ、7月にリリースした最新ソロシングル『Buddy』収録の「T&W」を歌唱する場面もあった。歌いながら2匹を愛おしそうに見つめる瞳や、愛犬たちが乗ったペットカートを押してノリノリで退場していく数原の後ろ姿が微笑ましい。演奏直後のTALK STAGE(総合MC・数原・藤田ニコル)も、バラエティーでの共演が多い仲良しチームというだけあってトークが弾んでいた。

 さらに次のコーナーには、現在放送中の“タイムリープ不倫ドラマ”『奪い愛、真夏』(テレビ朝日系)より、主人公・海野真夏を演じた松本まりかがサプライズで登場。同作で真夏に恋する元部下・日熊元也を演じた白濱と肩を並べて、颯爽とランウェイを歩いた。だが、ストーカー役が抜けきらない白濱が熱くキスをせがむ演出は、松本にも知らされていなかったようで、突然のドッキリに大爆笑。実は白濱が15歳で初めて出演した舞台でも共演していたという2人は、仲良し姉弟のような空気感を醸しており、松本は「まだまだ子供だなって感じだったのに、こんなに立派になって(笑)」とコメント。音楽活動に限らず、幅広い分野で活動するGENERATIONSメンバーの人間関係や、その現場ならではの表情が垣間見える場面となっていた。

WOLF HOWL HARMONY

 この2人のやりとりからもわかるように、メンバーの多くが10代の頃に結成されたGENERATIONSも、今では後輩育成に力を入れるなど、音楽シーンをリードする存在へと進化を遂げている。その姿勢を示したのが、後半に用意された『ARTIST LIVE』。今回のGENEコレでは、7月に誕生したばかりのLDH発のD.LEAGUEチーム LDH SCREAM、LDH初となるグローバルガールズグループ SWEET REVENGE、卓越した歌唱力とラップを武器に活動する新世代グループ WOLF HOWL HARMONYという3組の後輩グループにステージを預けた。また、幼い頃からストリートダンサーとして活動していた佐野のプロデュースステージ『Born in the street』には、新世代のトップダンサー9名(Sasya、KAZANE、KEIN、RA1ON、Killa Twiggz、FLAME、YUYA、龍、KANU)が集結。各ジャンルのダンサーによるフリースタイルダンスが観客の興奮を煽り、ファッションショーとはひと味違う盛り上がりを見せる。だからこそ、直後に控えていた、片寄のプロデュースステージ『The Vibe from Bouquet』との緩急が際立った。

 MVとリンクした大自然の映像を背にして、片寄がそっと歌い始めた1曲目は、1stソロアルバム『Bouquet』に向けて自ら書き下ろしたミディアムナンバー「朝日のように、夢を見て」。シンガーソングライターの土岐麻子が手掛けた「Smoky Town Rain」、シンガーソングライターのTani Yuukiが手掛けた「運命」へと続く。「Smorky Town Rain」の曲中には、ランウェイを歩きながら歌う片寄の頭上をフライングハートが舞った。「ソロでは、多くのアーティストと一緒に作品を制作していきたい」と常々語っている彼だが、それは楽曲に留まらず、このフライングハートも、「感覚の蘇生」をテーマに香りと音を芸術表現に用いるアーティスト・和泉侃がプロデュースした“香り”をプレゼントするためのロマンティックな仕掛けだという。「運命」の歌唱時には、佐藤充がアルバム『Bouquet』から着想を得て描いた絵画もスクリーンに映し出され、さまざまな角度から感性を刺激する新感覚のライブ体験を届けた。

 しかし、良い意味で綺麗にまとまらないのが、GENERATIONSの面白いところ。幕間のTALK STAGE(総合MC・片寄・佐野)に登場したメンバーたちは、次のブロックへの期待が抑えきれない様子で笑みを浮かべる。――そう、筋肉自慢の中務がアパレルブランドLYFT と贈る、マッスル×ランウェイの新境地『MUSCLE COLLECTION STAGE』の時間がやってきたのだ。ステージ上に本格的なトレーニング機材が設置してあることだけでもかなり新鮮なのだが、LYFT提供のウェアを着用したマッスルモデルたち(Ayaka・KIKI・KOKI・KC from RAG POUND・SHIHO・YUSHI・KANG YUNO)は、美しい姿勢で筋トレをしたり、ポージングを取りながらランウェイを歩き、観客を新たな世界へ誘う。そこに満を持して登場した中務は、王者のような風格を醸していた。でも、少しの筋トレで早くもエネルギー切れを起こし、うなだれてしまう。それを見かねて駆けつけたのが、筋肉芸人・なかやまきんに君。彼が観客と共に“筋肉三々七拍子”でエールを送ると、みんなのおかげで力が漲った中務は、片腕24kgのダンベル×2を10回高く突き上げてフィニッシュ!マッチョ2人によるキメポーズ「やぁーーー!」が、ツッコミ不在のコントを締め括るように響き渡った。

 3時間に渡って駆け抜けたソロプロデュースステージの最後は、『UMBRO STADIUM STAGE feat.PKCZ®』。このブロックでは、白濱がファンだというフットボールアパレルブランドUMBROと、白濱がフロントマンを務めるクリエイティブユニット・PKCZ®のコラボレーションが実現した。EXILE MAKIDAIが「みんなで1つになっていきましょう!」と呼びかけると、3人はライブアンセム「PLAY THAT'24(ALAN ver.)」で、イベント会場を彼らのホームであるクラブに塗り替えていく。と同時に、ランウェイはサッカースタジアムをイメージしたライティングとなっており、UNBRO HOUSEのアンバサダーを務めている女優・山本舞香がモデルとしてサプライズ登場。フリースタイルフットボーラー(AKI、Ibuki、うづら、Ko-suke、SYUNYA、Daikichi、D.I.L、Yu-to、Yu-ri、Leon)の見事な足捌きも通常のライブでは見られない光景で、さまざまなコンセプトのグループが所属するLDHの中でも、ジャンルの垣根を超えるのが得意なPKCZ®ならではの化学反応が起こっていた。

Da-iCE

 そして、再び6人揃ってステージへ。GENERATIONSによる「ARTIST LIVE」でラストスパートをかけた。1曲目の「AGEHA」は、両手を翼のように広げる振りがキャッチーなダンスチューン。「BIG CITY RODEO」や「ヒラヒラ」、「Y.M.C.A.」も、長年歌い続けている人気曲たちだ。その一方で、今年2月より6カ月連続でリリースしてきた、メンバーによる楽曲プロデュース企画『PRODUCE 6IX COLORS』からも「Two Steps Back」(白濱亜嵐プロデュース曲)と「MY GENERATION」(小森隼プロデュース曲)を披露。1stアルバムに収録されている「to the STAGE」で、大勢の観客とタオルを回し、楽しさを分かち合う姿も眩しく、時には全力でふざけながらも、歌・ダンス・DREAMERS(ファン)と真摯に向き合ってきたGENERATIONSの歴史を実感した。

 とはいえ、メンバーだけでここまで進んできたのではなく、もちろん、長い道のりにはたくさんの仲間の存在があった。その1組が、同じ時代を駆け抜けてきたDa-iCE。サプライズゲストのDa-iCEが「スターマイン」「ノンフィクションズ」を歌唱した後、2組による初のコラボ曲「Grounds」も初披露された。同曲は、かねてより交流があったDa-iCE 工藤大輝と白濱の、2人で作詞作曲を担当。2024年開催された『a-nation 2024』でのコラボパフォーマンスをきっかけに作り始めたという楽曲に、Da-iCE和田颯と中務が振りをつけ、4ボーカル・7パフォーマーの総勢11名によるパフォーマンスが完成した。順風満帆ではない月日を重ねてきた2組が、今、共に大きなステージに立っているという事実が、曲が持つメッセージをより鮮やかに心に刻んでいく。共通点が多い2組だが、終演時間が差し迫ってもなお、マシンガントークが止まらないところもソックリだ。

 そんな事情もあり、少し駆け足で突入したグランドフィナーレを飾ったのは、約35mのランウェイを利用したオールキャストによる「Choo Choo TRAIN」!出演者たちが続々と退場していく中、最後に上裸で両腕を突き上げた中務のビッグスマイルが、『TOKYO GENERATIONS COLLECTION』の大成功を物語っていた。

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