GENERATIONS、『TGC』を公式オマージュした“やりたい放題”の祭典 5時間半に及ぶ『GENEコレ』徹底レポ
メンバーによる楽曲プロデュース企画を皮切りに、“6大企画”を掲げて活動しているGENERATIONSが、その一環となる主催イベント『TOKYO GENERATIONS COLLECTION』(以下、“GENEコレ”)を9月7日にさいたまスーパーアリーナにて開催した。本公演は、今年20周年を迎えた史上最大級のファッションフェスタ『東京ガールズコレクション』(以下、『TGC』)による全面協力のもと、GENERATIONSが『TGC』をオマージュ&プロデュースするというもの。ファッション・音楽・エンターテインメントを織り交ぜながら、メンバー各々の個性を発揮した全12ステージには、事前に出演が発表されていたモデルやパフォーマーのほか、豪華なサプライズゲストも多数登場。GENERATIONSと共に、5時間半に及ぶやりたい放題な祭典を盛り上げた。
9月6日に開催された『第41回 マイナビ 東京ガールズコレクション 2025 AUTUMN/WINTER』に続き、同じ会場で行われた今回の“GENEコレ”。開演前から、メンバーがプロデュースを手掛けるショップブースやフォトスポットが賑わいを見せる中、いざ場内に足を踏み入れると、本家『TGC』でお馴染みのランウェイが来場者を迎えた。そして、イベントロゴを映し出した大画面を背にして、GENERATIONSが登場。1人ずつランウェイに歩み出し、観客に挨拶すると、初のドームツアー『GENERATIONS LIVE TOUR 2019 "少年クロニクル"』でもオープニングを飾った「A New Chronicle」を披露。“自己紹介曲”とも言えるアップチューンが、夢のような一夜の幕開けを告げた。
12ステージの最初のブロックは、小森隼による『THE OPENING TALK』。バラエティタレントやラジオパーソナリティとして活躍し、個人でもトークライブ『小森隼の小盛りのハナシ』を行っている“語る表現者”小森が、10分強のスタンダップコメディに挑戦した。『TGC』に関連して「なぜ、みなさんはオシャレをするのでしょうか?」と切り出すと、ステージ上で着物に早着替えをしながら、ファッションやファッションショーの歴史を語っていく。その巧みな話術と堂々たる姿の足元には、幼少期からダンス一筋だった彼が、GENERATIONSの一員として新たに切り拓いてきた道が延びている。なおかつ、後のMCで語った「改めてファッションのことを紐解きながら、メンバーがプロデュースするもののメッセージをみなさんに届くようにするにはどうすればいいかな? と、悩みに悩んで作り上げました」という言葉からは、仲間想いな人柄も感じられた。
『THE OPENING TALK』から一転、白濱亜嵐がプロデュースしたのは、昭和の“粋”と“艶”を表現した『昭和コレクション STAGE』。DJとしても活躍する白濱がDJ卓にスタンバイし、「OK! 昭和を彩った楽曲たちで楽しんでいきましょう!」と呼びかけると、フィンガー5の「学園天国」でヒートアップ! 懐かしくも色褪せない名曲と共に、『TGC』から加藤ナナ・米澤りあ・大峰ユリホ・土方エミリ・那須ほほみ・本田紗来・りんか・希空といった人気モデルたちが、“昭和モダン”をテーマにしたファッションショーを繰り広げていく。後半には、山下達郎の「RIDE ON TIME」をネオ昭和アーティストの阪田マリン(ザ・ブラックキャンディーズ)やダンサー陣と踊る場面もあり、マルチプレイヤーの白濱らしいカラフルなステージとなっていた。
ここで、総合MCを務める小森と、前日の『TGC』に引き続き鷲見玲奈がステージに現れた。トップバッターを務めた小森は、観客を“何をやるかもわかっていないのに集まってくださった猛者たち”といじりつつ、客席に向けて「最高でーす!」と叫ぶ。直前のブロックを担当した白濱を呼び込んで「DJだけかと思いきや、最後踊るんかーい(笑)!」とツッコミを入れると、白濱も「『RIDE ON TIME』しちゃった!」とニッコリ。そんなメンバー同士の愉快なやりとりも、“GENEコレ“の見どころの1つだ。
続いて「この夏、富士フイルムのXシリーズを片手に片寄涼太さんが切り取った風景に、朗読、歌声が重なります」と紹介されたのは、片寄涼太プロデュースの『READING PHOTOGRAPHS 〜SWEET MEMORIES〜』。30歳の節目を迎えた昨年から、ソロアーティストとしての活動にも力を入れている彼は、今年8月に初のソロアルバム『Bouquet』を発表。同作には自身で作詞した楽曲やコラムも収録されており、アルバムリリースを記念したアート展覧会『The Vase for Bouquet』も開催された。その日々の中で磨かれた感性を丁寧に手渡すように、慣れ親しんだピアノ椅子に腰かけ、“写真”をテーマにした自作の物語を紡いでいく片寄――。その豊かな声色も、会場内のブースに展示されていた彼が撮影したという写真も、30代に突入してより深みを増している。最後に歌い上げた「SWEET MEMORIES」(松田聖子)もまた、今の彼ならではの芳醇な響きが観客の心を奪っていた。
次の瞬間、片寄が残した心地よい静寂を切り裂くように、目覚ましのアラームが鳴る。佐野玲於×KELO×覆面ラッパー Qiezi Maboが贈る、スーツ×ダンス×音楽の奇想天外なステージ『JAPANESE OFFICE WORKER』の始まりだ。俳優としても活躍する佐野が、社会人の心境を声のみで表現する中、スーツに身を包んだKADOKAWA DREAMSメンバーや、『TGC』モデルの中でもダンスを得意とする入江美沙希や梶原叶渚が続々と登場。男性メンバーによって、パンツ一丁の“ダメダメサラリーマン・佐野”がステージに運び込まれると、いざダンススタート。サラリーマンの日常を彷彿とさせる仕草や、彼のルーツであるダンスジャンル・KRUMPを織り交ぜたストーリー性のあるパフォーマンスを展開していく。中盤にはLDH初となるグローバルガールズグループ・SWEET REVENGEがジャケットとパンツを持って現れ、ステージ上で佐野が“スーパーサラリーマン”に早着替えする演出もあった。……と言いつつ、客席からは着替えに手間どっている様子が丸見え。そんなところも観客からは“可愛い”と好評だったようだ。
総合MCと片寄・佐野によるTALK STAGEを挟み、数原龍友プロデュースの『TGC歌謡祭 STAGE』へ。某音楽番組をオマージュした映像演出で、数原が生まれた平成4年の名曲たちがプレイバック! “数原さんが愛してやまない平成ソングランキング”の1位に輝いた「好きだよ。〜100回の後悔〜」と「365日のラブストーリー。」は、サプライズゲストのSonar Pocketと共に歌唱した。数原にとってSonar Pocketのko-daiは兄のような存在だそうで、MC中には出会った頃の思い出トークに花が咲く。また、お笑い芸人との共演が多いGENERATIONSならではの企画として、ここでは『ジェネの神様』も行われ、平成の人気お笑い番組を彩ったコウメ太夫・いつもここから・ダンディ坂野が音楽ライブとは違う風を吹き込んだ。お笑いパートの後には、もう1組のサプライズアーティストであるnobodyknows+も登場。実はnobodyknows+とは今回が初対面で、数原が一方的にファンだったそうだが、「Heroʼs Come Back!!」と「ココロオドル」のコラボ歌唱で観客を熱狂に導いた。
そしてイベント前半のトリを飾ったのが、中務裕太がプロデュースしたステージ。『TGC歌謡祭 STAGRE』の豪華ゲストに圧倒されたのも束の間、『“TGY” SPECIAL SHOWCASE feat. 東京ゲゲゲイ』では、出演者たちのド派手なビジュアルに度肝を抜かれた。GENERATIONS随一の筋肉キャラである中務が大変身し、MIKEY(東京ゲゲゲイ)・AROE・MIKU・KELOと共に、20 周年を迎える架空の世界的アーティスト「TGY(TRUE GIRLS YUMMY)」として降臨したのだ。インタビュアー 小森と、4人体制の「TGY」による“インタビュー風コント“で助走をつけて、15年前に脱退したオリジナルメンバー・ユネッタ(中務)が登場すると、客席からはひと際大きな歓声が上がる。初めはソファに腰かけ、くつろいでいる様子のTGYだったが、再会を祝した乾杯コールを合図にガラッと空気が変わり、真剣な表情に。キレッキレのダンスリレーに導かれるように、東京ゲゲゲイの楽曲「醜いシンデレラ」が解き放たれた。なお、同曲ではセンターでマイクを握るボーカル・MIKEYだけでなく、中務もラップパートを歌い、新たな一面が開花。スタンドマイクを使ったステージングが目を惹いたのは、同じく東京ゲゲゲイの「愛のフルコース」。テクニカルなソロダンスで圧倒した「Gee Gee TRAIN」で畳みかけると、強烈なインパクトと「またこの“TGY”で戻ってきます」(MIKEY)というメッセージを残し、5人はステージを後にしたのだった。