SixTONESの魅力がとことん詰まった濃密な楽曲 「Strawberry Breakfast」、カップリングなのになぜ大人気?

 今年5月17日に全66曲のサブスク&ダウンロード配信を解禁したSixTONES。スマートフォン等で手軽に聴ける環境になったことで、ファンにとってはその楽しみ方の幅が増えたのではないだろうか。

 SixTONESの公式X(旧Twitter)では「ストスト WEEKLY BEスト10」と題して、ウィークリー再生ランキングが発表され、SixTONESの楽曲だけのランキングもまた楽しみの一つとなっている。

 7月20日から7月26日のウィークリー再生数ランキング(※1)では、最新曲「Stargaze」が1位にランクインしたほか、今年3月リリースの「バリア」、2023年6月リリースの「こっから」、さらには2020年1月リリースのデビュー曲「Imitation Rain」などがトップ10入りを果たすなど、新旧入り混じる人気にサブスクの魅力を感じる。それと同時に、これまで様々な音楽ジャンルを歌ってきた彼らの軌跡や、SixTONESの音楽の奥深さも伝わってくる。

 SixTONESの音楽の魅力は、音楽性や6人の歌唱力にとどまらず、MVやライブでのパフォーマンスも外せない。最新曲だけでなく、定期的にアクセス――いわば摂取したくなる過去の作品も多く、「Strawberry Breakfast」もその代表格だろう。

SixTONES - Strawberry Breakfast

 SixTONESの4thシングル『僕が僕じゃないみたいだ』初回盤Aのカップリング曲としてリリースされた「Strawberry Breakfast」。「ワンカットで魅せる“大人”SixTONES」と掲げられたMVでは、SixTONESの歌唱力や表現力をはじめ、非現実的なシチュエーションではあるもののファッショナブルな世界観へと誘う内容になっている。

 にこやかに歌って登場するメンバー。メンバーの表情がはっきりと伝わる、ショーの幕開けのような始まりだ。ジェシー、田中樹、京本大我、髙地優吾、森本慎太郎、松村北斗の順に、全員が個性を発揮しながら女性に花束を渡す様子を演じ、ユーモラスな展開やときめきを誘う場面などを交えながら展開されていく。しかし、全員がことごとく女性に振られてしまい、肩を落とした様子のメンバー。その後に6人が並んで座る場面にも、“SixTONESらしさ”が描かれている。そして1分59秒頃に田中から始まるラップパートがこの世界観に違和感なく馴染むのも、SixTONESならではだろう。

 その場面を経て、京本、田中、髙地を先頭に前進するのだが、京本が一歩前に出て歌い、自分のパートが終わると後ろを歩くメンバーたちのいるところへと戻る――しかも、森本と松村の間にピッタリとノールックで入りこみ、完璧なフォーメーションへと仕上げる、わずか5秒程度ではあるが、その巧みなフォーメーションも魅力だ。終盤のレッドカーペットでの華やかさは圧巻のひと言に尽きる。かっこよく決めたかと思いきや、もうひと展開あるのが彼ららしく、最後は愛らしい微笑みで幕を閉じる。

 完全ワンカット撮影のもとに6人の個性と、全員が俳優として活躍する彼らならではの演技力が注ぎ込まれ、一つのショーとしても成立している。音楽を耳で聴くだけではなく、映像を通して様々な感情を誘い、リスナーの心を満たしてくれる。

SixTONES –「Strawberry Breakfast」from MTV Unplugged: SixTONES

 YouTubeでは、昨年12月に出演した『MTV Unplugged』で披露された「Strawberry Breakfast」のパフォーマンス映像も公開されている。前述のMVとはまた異なり、『MTV Unplugged』ならではの雰囲気の中、スーツ姿でしっとりとした大人の雰囲気をまとったSixTONESが歌声で魅了する。

 タイトルにある“Breakfast”は“その日の最初の食事”という意味があるが、スイーツやご褒美、宝物のような位置付けとして定期的に視聴するリスナーも多いはず。〈何気ない日々の全てが 名作に生まれ変わる〉という歌詞の通り、シーンを選ばずに聴くことのできる、何でもない日をも彩ってくれる、SixTONESの魅力がとことん詰まった濃密な4分37秒だ。

 「Strawberry Breakfast」は、カップリング曲でありながらも堂々たる存在感を放ち、歌詞の一節、まさしく〈今世紀最大の Hit〉の一つとしてリスナーの心に残り続けている。もちろん、この先に待っているであろう新曲との出会いも待ち遠しいのだが、同時に「Imitation Rain」をはじめとした過去の作品が様々なアレンジによって磨かれたり、何度聴いても「いいな」と思えるような長く愛すことのできる楽曲が多く存在するのも、SixTONESの音楽の魅力なのだ。

※1:https://x.com/SixTONES_SME/status/1949786915328393488

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