原因は自分にある。はどんなコンセプトも乗りこなす デビュー当初から一貫する高い表現力

 12月4日、原因は自分にある。が自身2枚目となるコンセプトEP『テトラへドロン』をリリースした。

 本EPは、 コンセプチュアルな軸に基づき“支配”、“反骨”、“愛惜”、“野望”といったテーマを歌う1枚。そのうちの2曲「Operation Ego」と「遊戯的反逆ノススメ」のMVが立て続けに公開されているが、そこでの独特な世界観、メンバーの表現力が話題を集めている。今回は、この2曲のMVについて紐解くと同時に、飛ぶ鳥を落とす勢いで躍進する原因は自分にある。の魅力について改めて考えたい。

Operation Ego | 原因は自分にある。(GNJB)

 EPリリース日となる12月4日に公開されたのは、本EPの1曲目に収録されている“支配”をテーマにした楽曲「Operation Ego」。「メズマライザー」のヒットで2024年最も注目されているボカロPのひとりでもあるサツキが書き下ろした楽曲だ。

 MVには巨大な異星人が登場し、それによる支配で“半異星人”になったかのようなメンバーの姿が。支配されていくさまをBPM200の超速な歌唱に乗せ、リップシーンでは瞬きをせずにカメラをじっと見つめるさまは、どこか無機質で人間離れした印象を受ける。その一方で、顔を歪ませ反抗的な目をする姿や、奥底に眠っている自我が垣間見え、支配に抗うような一幕も。1曲の中で支配されていく姿、抵抗する姿の両面が見れるのがこのMVの見どころである。

遊戯的反逆ノススメ | 原因は自分にある。(GNJB)

 そこから1週間後の12月11日に公開された「遊戯的反逆ノススメ」のテーマは、ずばり“反骨。「Operation Ego」とは陸続きのMVとなっており、異星人の支配が覆い尽くした地球の中、身を潜めて無抵抗な現実にどうにか立ち向かおうとするダークヒーローのような7人が描かれている。

 「Operation Ego」と同じく非常にスピーディーな曲ではあるものの、「Operation Ego」が必死に逃げていることで醸し出される疾走感だとすれば、「遊戯的反逆ノススメ」はかつては悪事を繰り返していた彼らが、急に世界中から頼りにされている状況をワクワクと楽しんでいる、はやる鼓動を表しているような印象を受ける。

 そんな同楽曲のMVは、ダークヒーローとして“その時”を待ちながらも、どこか楽しそうに備えるやんちゃで茶目っ気のある7人の姿が。ちなみに「遊戯的反逆ノススメ」のMVで身につけている衣装は、同EPの創造盤のジャケット写真でも着用。MV公開より先にジャケットが公開された当初は、てっきりクールなコンセプトになるのではないかと想像していた人も多いはず。しかし、いざ蓋を開けてみたら、MVはクールな見た目でありながらも、メンバーでわきあいあいとパソコンの画面を見て言い合っている姿や、笑顔多めでメガホン片手に歌唱する姿など、“げんじぶ”の仲の良さや7人でいる時の楽しさが垣間見える映像に。クールさとキュートさ、両方を楽しめるMVに仕上がっている。

 このように、テーマがはっきりしていてコンセプチュアルな楽曲をも自分のものにできるメンバーの表現力の高さが、このグループの魅力である。

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