NMB48 塩月希依音&泉綾乃&剱持嘉一&Carlos K.座談会 『天使のユートピア』から『大阪万博』見据えるグループの現在

『大阪万博』を見据えたNMB48の未来へのスタンス

ーー個人的には「脇役・学生 Z」の中毒性がある感じが好きですし、「全部抱きしめろ!」のツービートのサウンド、小嶋さんのソロ曲「美しく激しく咲く」といった、アルバム1枚としてもバラエティに富んでいて聴き応えがあると思いました。

Carlos:それは嬉しいですね。

剱持:「脇役・学生 Z」と「ROUTE 48」が入れ替わったんだっけ? 俺らの中では「Z」は5曲目だったよね。

泉:セットリストがきた時も「脇役・学生 Z」がオープニングに入っているのを見た記憶があります。

剱持:ダンスナンバーが後半にないからというので入れ替わったんだよね。

Carlos:それもあるけど、「ROUTE 48」がMIXを打てるから。イントロを足して長くしたんです。

塩月:私たちがいただいたのはもう長いバージョンだったんですけど、ファンの方がMIXを打つために伸ばしたという話を聞きました。

剱持:3連MIXを打てるようにしてくれとスタッフから言われて。ただ想定していたMIXとはまた違った感じになってるみたいで。

塩月:それでもオリジナルで面白いなと思います。

泉:ファンの方も聴きながらコールとかを作ってくださるので、そのタイミングもどんどん変化していってますよ。

Carlos:青春感溢れる4曲が続いた後に、見てる方を置いてけぼりにしないようにそこでMIX3連を打って、ガッと盛り上がっていこうというような感じだったと思います。

剱持:思惑は外れたよね。でもそこはお客さんが楽しんでくれればいいと思っています。

ーー塩月さんと泉さんはこの4カ月を経て、さらに思い入れが強くなった楽曲というのはありますか?

塩月:私は1番最初に全曲を聴いた時は特に「全部抱きしめろ!」がアップテンポで盛り上がる曲ですし、勇気とか元気がもらえるので好きでした。何回も聴いているうちにいい曲だなとしみじみ思えてきたのが「繋ぎ歌」で、サビの前に音が止まる瞬間が感動的で好きなポイントです。

ーー「永遠のメロディー」にも塩月さんのソロパートがありますよね。

塩月:「永遠のメロディー」もソロパートで始まるんですけど、「OUR STORY」のソロとはまた違った感じです。「永遠のメロディー」の方はしっとりした感じで届けたいという思いが強いんですけど、「OUR STORY」ほど緊張せず落ち着いて歌えています。

剱持:この歌は対ですよ。「OUR STORY」と「永遠のメロディー」はカップルみたいな歌。

泉:私も「OUR STORY」と「永遠のメロディー」の最初と最後が特に印象深いなと思っています。「OUR STORY」は今から物語が始まって、これから見せていくという思いのこもった曲ですけど、「永遠のメロディー」はここまでの私たちどうでしたか、また会う時まで待っていてほしいというようなメッセージを込めて歌うようにしています。寂しさがある歌詞ではあるけれど、微笑みながらパフォーマンスするということをメンバーと話し合った大切な楽曲です。

塩月:最後の曲で、また公演全体を振り返ることができて、既存の楽曲を組み合わせて作ったセットリストの公演となるとなかなか難しいので、そういったところもオリジナル公演の良さだと思います。

ーー「青い春よ」の振り付けは泉さんをイメージしたとお聞きしました。

泉:私のダンスの踊り方は軸がぶれないで綺麗と言っていただけることがあるので、「青い春よ」の歌詞にも芯が強くて真っ直ぐな思いがあるので、それと合わせていただいたのかなとは思っています。

塩月:芯のある部分はメンバーが見ていてもそう思います。

剱持:1番最初に完成した曲で、一発OKだったよね。

ーー先日、30枚目シングルの選抜メンバーが発表されましたけど、この『天使のユートピア』公演は、基本は選抜メンバーが出演するということなのでしょうか?

剱持:『天使のユートピア』公演を始めたのは、10年半ぶりのオリジナル公演として、30枚目のシングルと来年の15周年に向けての新しい展開の一つというのはあるんですけど、選抜メンバーに対するモチベーションを保つ為の一つ何か目指せるものを、ということでできたのがこのオリジナル公演です。次のシングルで選抜に入ってもおかしくない、急上昇してるメンバーもいるわけです。少し前の泉なんかそうだったかもしれない。例えば坂下(真心)みたいに選抜ではない(30枚目シングルで初選抜)けれども、この公演で試してみようというように。基本は13人で始めていますし、そのメンバーに向けて歌割りを作ってるところもありますけど、休演があった時にチャンスを掴めるメンバーが出てくるかもしれないという、ファンの人が楽しんでもらえるような場になればいいなという意味合いもあります。

ーーもちろんお2人にとっては『天使のユートピア』公演だけでなく、『N ship』公演だったり、『僕のアオハル』公演も大切な公演ということですよね。

塩月:私は『天使のユートピア』公演も、『僕のアオハル』公演の方でも両方センターをさせていただいてるんですけど、ステージに立っている時の自分は2人いるような感じで、全然違う感覚なので、どちらも大事だと思っています。

泉:『N ship』公演では先輩と後輩の間みたいな中間の立ち位置でやらせていただいて、もう今ではもう上の方かもしれません。『天使のユートピア』公演だとキャプテンとしての立ち回りもあるので、特に先輩も後輩もいる中でみんなを支えるという立場があります。『N ship』公演では『天使のユートピア』公演よりかは少し周りに甘えさせてもらえる余裕もあるので、後輩を育てることも意識して今はやってみているところです。

ーー今後、NMB48としては14周年コンサートだったり、東京では日比谷公園大音楽堂でのコンサートも控えていますが、そういったコンサートへの土台作りというか、劇場公演があるからこそコンサートでのパフォーマンスが見せられる部分というのもあったりするのでしょうか?

塩月:劇場公演ではいろんな自分を試してみて、これだと思ったものをライブに持っていくという感覚でやっています。同じ曲でも、ちょっとかっこよく演じてみたり、ちょっとアイドルっぽく見せてみようとか、いろんなパターンを公演で試すんですけど、その中で自分が気に入ったり、これなら自分の良さを出せると思ったものをライブでやってみたりとか。あとは会場の広さも違うので、劇場は表情とか表現力をメインに試してみるけど、ライブの方は振りを大きくしてどれだけ見つけてもらうかをメインにしたり。劇場公演からライブに繋がっている部分もあれば、劇場で得たものをライブで活かせる部分もあったりして、取捨選択する場所が劇場公演だと思っていますね。

泉:初期の頃に言われた「1回でも多くステージに立ったもん勝ち」という言葉が印象に残っているんです。自分は劇場公演を大切に活動してきたメンバーだと思っているので、ライブは劇場公演で積み重ねたものを出す場所だと思っています。劇場公演では毎回新たな発見があって、それを大きなライブでファンの方に見せるということを心がけています。

剱持:泉は、劇場番長から上がってきた感じはあります。「天使のユートピア」の2番の歌い出しは泉への当て書きだもんね。

ーー2025年はNMB48がスペシャルサポーターを務める『万博』が開かれますが、来年に向けてのお言葉を剱持さんからいただけますか?

剱持:来年は『万博』によって、改めて大阪がフィーチャーされる年になると思います。そういった年に15周年を迎えられるということが光栄ですし、大阪が世界へのゲートウェイとして、大阪というものの存在、その中でのNMB48というものの存在は、新しく確立しなければいけないと思っています。一致団結して、15周年をどう過ごすかということを考えていかなければいけません。

ーー剱持さんは、NMB48を通して日本のアイドルシーンと向き合い続けてきたかと思います。時代の流れとともにグループに求められるもの、入ってくるメンバーもおそらく10年前とは違ってきているかと思いますが、そういった中で世間から求められてるグループ像を今どのように捉えていていますか?

剱持:もともとNMB48のメンバーは良い意味でアイドルらしくない言動が多いんですよ。でも、メンバーに「そういう発言やめなさい」「アイドルらしくないでしょ」と言うこと自体おかしいと僕は思いますし、それがないと急に没個性なグループになってしまう。

塩月:普通のアイドルではないなと思います。

剱持:例えば、今の時代背景を反映して各メンバーがSNSに1日20投稿上げるみたいな手法を取ることもアリだと思います。ただNMB48の芯というのは、劇場公演であり、個性の集合体であり、若手グループとは違った面白さにあるとみなさん思ってくれていると思うんです。そこは変えずに、何か新しいこと、世界なのか、アジアなのかというところを追求していくべきだろうなというふうには思います。

ーー時代の風潮に流されたり、迎合するのではなく、今まで培ってきたものを大切にしていくと。

剱持:もちろん、新しいものは取り入れなければいけないとも思ってます。そういう意味ではメンバーの協力も大事だと思うけれども、今これが流行ってるから瞬間的に取り入れる、ということはないですね。

ーー最後に、AKB48劇場が老朽化による改修工事に入っていますが、NMB48劇場はまだ大丈夫なのでしょうか? 2011年の1月からスタートして、もう13年以上が経っています。

塩月:以前、雨漏りしたこともありました(笑)。

剱持:結構メンテナンスもしてますよ。

塩月:ステージも照明も、時期をずらして部分的に変わっていってるので、まだ大丈夫なんじゃないかって。

Carlos:「HOME~ずっと友達~」の冒頭の歌詞は劇場に入っていく時の風景ですよね。

剱持:そうです、劇場の階段の風景です。Carlosさんとはお酒を飲んだりしながらいろんな音楽の話やアイデアを話したりしています。またぜひご一緒できるといいですね。

■リリース情報
NMB48 劇場公演CD『天使のユートピア』
発売日:2024年8月14日(水)
形態数:通常盤全1形態(CDのみ)
価格:通常盤¥3,630(税込)
品番:UMCK-1773
購入:https://nmb48.lnk.to/tenshinoutopia_CD
配信:https://nmb48.lnk.to/tenshinoutopia

<収録曲>
01.overture(NMB48 ver.)
02.OUR STORY
03.青い春よ
04.愛デンティティ
05.ROUTE48
06.君はエイリアン
07.チュってギュッてグッと♡
08.SPARK
09.美しく激しく咲く
10.僕らはまだ
11.脇役·学生Z
12.天使のユートピア
13.全部抱きしめろ!
14.HOME~ずっと友達~
15.繋ぎ歌~世界の国からこんにちは~
16.永遠のメロディー

<特設サイト>
http://www.nmb48.com/special/tenshinoutopia

■リリース情報
NMB48 30th Single『がんばらぬわい』
発売日:2024年10月9日(水)

■関連リンク
NMB48 オフィシャルサイト:https://nmb48.com/
NMB48 オフィシャルYouTubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/NMB48official
NMB48 オフィシャルX(旧Twitter):https://twitter.com/nmb48_official
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