Def Techが贈る至福のひととき 夕暮れの野音から幕を開けた『What The Frequency Tour』
さぁ、ライブはラストスパートに入った。アコースティックギターのイントロだけで大歓声が沸き上がる、曲は「Catch The Wave」。心地よい中にもの哀しさをたたえたメロディと、背中を押す強い言葉が、8月の終わりのこの季節に、ライブの終わりのこの位置によく似合う。
そして、この曲を聴かなければDef Techのライブは終わらない。「みんなの耳に入るのは、5000万回目かな」と、Microの曲紹介で歌われた「My Way」。この曲が世に出てから20年近く経つが、2020年にYouTubeの『THE FIRST TAKE』でリバイバルヒットしたことも含め、その影響力と生命力は増すばかりだ。Shenが客席に飛び降り、オーディエンスとハイタッチを交わす。“この歌はみんなの歌だよ”ーーそう言わんばかりに、Microがマイクを客席に向ける。ただのヒット曲ではない、年代問わず歌い継がれる曲の力。それをいつどこで聴いても、初めて聴くように瑞々しく響かせるShenとMicroの歌の力。
「8月最後の一週間。この余韻で、一週間乗り切れるだろ?」(Micro)
なぁ、みな、今手をつなげ。アンコール曲「Consolidation Song」では、Def Techの最初のツアーから続けてきた、ハンドインハンドのパフォーマンスを久しぶりに見ることができた。「コロナ禍ではできなかったけど、今日こそ隣の人と手を結んでほしい。自分たちのために」とMicroは言った。結び合った手が大きく左右に揺れている。ゆるやかなレゲエのリズムに、ボブ・マーリーのメッセージが重なる。二人はMCで、メッセージを声高に語ったりはしない。言いたいことはすべて歌の中にある。鳴り止まない拍手と歓声の中で、Microがバンドメンバーとダンサーたちを誇らしげに紹介する。このメンバーであと9本、『Def Tech “What The Frequency Tour”』は続いていく。
あと“9本”と言ったのは、アンコールで11月8日にLINE CUBE SHIBUYAでの追加公演が発表されたからだ。初期の曲から最新曲まで、ハッピーなダンスチューンから強いメッセージを讃えたスローナンバーまで、全編フルパワーで歌うShenとMicroは絶好調だ。Def Techの放つFrequency(周波数)にチューニングを合わせよう。一期一会のライブを見逃さないように、その音楽で心を解放しよう。
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