櫻坂46&日向坂46、アイドルシーンの新陳代謝に一矢報いるか オーディション同時開催の意図を考える

 櫻坂46と日向坂46の単独オーディションの開催が8月4日深夜に発表された。

 まず驚きだったのは、今回のオーディション情報が同時に発表され、そして同じ期間に開催されるという点。櫻坂46は「君ガ咲ク。」、日向坂46は「好きで。好きで。好きだから。」をキャッチコピーとして掲げ、両グループともに8月5日正午〜9月6日17時まで募集中。併願可能で、しかも7月29日に締め切られた乃木坂46の『6期生“夏組”オーディション』への応募者もエントリー可能という、これまた驚きな応募条件が盛り込まれている。

【君ガ咲ク。】櫻坂46 新メンバーオーディション ティザー映像
【好きで。好きで。好きだから。】日向坂46 新メンバーオーディション ティザー映像

 振り返れば2018年、両グループの前身である欅坂46とけやき坂46は、乃木坂46も含めた3組で『坂道合同新メンバー募集オーディション』を開催したことがあった。櫻坂46の二期生、日向坂46の三期生となったメンバーが募集され、最終審査を経て39名が合格。欅坂46には田村保乃、松田里奈、井上梨名、藤吉夏鈴、森田ひかる、山﨑天、武元唯衣ら9名、けやき坂46には上村ひなのの配属が決定した。さらに2020年2月には、現・櫻坂46の守屋麗奈をはじめ、配属されていなかった合格メンバー(坂道研修生)の配属先も発表され、後にシングル表題曲のセンターを担うような中心的存在が合同オーディションから誕生したことになる。

坂道グループがさらなる存在感を示すために

 今年のオーディション同時開催の大きなメリットとして挙げられるのは、アイドル市場における大きな盛り上がりが期待できる点、そしてその中で改めて坂道グループの存在感の大きさをアピールできるという点である。

 今まさにアイドルシーンはターニングポイントを迎えている。長年、シーンを牽引してきたでんぱ組.incが2025年初頭に解散することが発表され、2010年代に台頭した事務所・WACK所属のBiSHが2023年に解散し、BiSも第3期BiSの解散ライブをもって活動を終了することを発表した。一方、FRUITS ZIPPER、超ときめき♡宣伝部などが近年、TikTokでの流行を追い風にして、一躍シーンの最上位へと上り詰めた。「アイドル戦国時代」と称された時代から約15年。明らかな新陳代謝が起きており、新しいコンテンツやフィールドにフィットするグループが新規ファンをどんどん獲得している。

 そんな中、櫻坂46と日向坂46はともに2025年、欅坂46とけやき坂46の結成から10周年を迎える。アイドルシーンにおいてはすでにベテラングループの域に達する彼女たち。もちろん、伝統を誇るアイドルグループがどっしり構えて進んでいくよさもあるが、いかなるグループであっても瞬く間に淘汰される可能性がある今のシーンにおいて、やはり「坂道グループ、ここにあり」を強調してほしいもの。

 そう考えると、単独オーディションの同時開催で規模感を広げ、話題性と盛り上がりを生み出そうとする今回のオーディションからは意欲が感じられて好印象である。何より前述したように、2025年にメモリアルイヤーを迎える両グループともに、新しいやり方で新規メンバーを迎え入れることの意味もしっかり感じられる。

櫻坂46『自業自得』
日向坂46『君はハニーデュー』

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