THE SUPER FRUIT、新たな“自己肯定感爆アゲ曲”誕生! ヒャダイン提供「どーぱみんみん あどれなりんりん」で輝く個性

オンリーワンの大切さを歌ってきたスパフルならではのキラーフレーズ

――では、「どーぱみんみん あどれなりんりん」の歌詞について、ひと際爆笑している晴海くんの感想を聞かせてください。

星野:(ひとしきり爆笑してから)ヒャダインさんもおっしゃっていた通り、この曲は自己肯定感を爆アゲしてくれる楽曲ですね。個人的には、2番のサビの〈楽しいことを 楽しい人と/楽しい顔で 楽しもうじゃないか〉という歌詞が好きです。僕も経験あるんですけど、自己肯定感が低いと何をやっても楽しめないんですよ。

――いつもキラキラして見える晴海くんにも、そういう時期があったんですね。

星野:そういう時期は乗り越えたけど、コンプレックスは今もありますね。でも、コンプレックスをずっと引きずってると、楽しいはずのことも楽しくなくなっちゃうし、今までもったいないことをしていたなと、スパフルとして活動するなかで気づいて。自分のなかで割り切ろうって決めたら、少しずつ前を向けるようになってきたんです。そんなタイミングで「どーぱみんみん あどれなりんりん」をご提供いただいたので、この曲を通して「今を楽しまないともったいないよ!」「早く気づいて!」って伝えたいです。

――2022年に「チグハグ」がバズってから2年、今のスパフルだから歌える自己肯定感爆アゲ曲が誕生したんですね。

星野:はい。「チグハグ」とは違う角度で自己肯定感を高めてくれる曲ですし、歌詞にも〈自分のことすら愛せない人が/他人を思いやれないでしょ?〉とあるように、自己愛を高めたあとに、他人を思いやることを教えてくれる楽曲になっています。

――スパフルらしい歌詞だなって感じるところは?

堀内:所々に出てくる〈ぼくって なんてったってナンバーワン!〉かな。これは「誰かと比べてナンバーワンになる」っていう意味じゃなく、「他の人を思いやるために、まずは自分を愛そう」っていう意味のナンバーワンということで。デビュー以来、オンリーワンであることの大切さを歌ってきた僕らならではの面白い表現だなって思いました。

松本:2サビの〈冷たい言葉 聞いてあげない/体の冷えは お肌に悪いの〉も好きですね。僕は冷たい言葉を聞くと「ひょん……」って気持ちが落ちちゃって、ずっと引きずっちゃうんです。でも、この曲では「お肌に悪いから聞かない!」っていうスパフルらしい切り返しで、ネガティブな気持ちを跳ね除けていて。踊っていてもニヤッとしちゃうポイントです。

THE SUPER FRUIT - どーぱみんみん あどれなりんりん[Official Music Video]

――また、3ボーカル(田倉と小田に加え、曲に合った選抜メンバー計3名で歌唱するスタイル)で歌うことの多いスパフルにしては珍しく、7人全員で歌っているのもこの曲の特徴です。歌割りも細かいですし、歌声の違いや曲の構成、パフォーマンス……あらゆる面で情報量の多い楽曲ですね。

田倉:いつもは基本的に3ボーカルなのでひとりで歌うパートが多くて、僕がAメロを全部歌って、惟真がBメロを全部歌う、というような構成だったりするんですけど、今回は“セリフ→休む→セリフ→歌う→踊る”というふうに、自分がやるべきことが次々変わっていくんですよ。僕の場合、歌う部分がいつもより減った印象があるかもしれないけど、やることは増えているんです。だから、ずっと焦ってますね(笑)。MV撮影の時も、踊りながら「この次の展開はどうだったっけ!?」って考えちゃったし、いっぱいいっぱいで……。

阿部:そうだったね(笑)。

田倉:この記事が出る頃には47都道府県でのフリーライブが始まってるんですけど(取材は7月中旬に実施)、もう少し楽曲を自分に落とし込んでから、みなさんにお届けしたいと思っています。

――スパフルが7人全員で歌うのは、昨年末にリリースした1stアルバムのリード曲「青い果実」以来ですが、グループの方針が全員で歌うスタイルに変わってきたということですか? それとも、この曲だから全員で歌うことになった?

THE SUPER FRUIT - 青い果実[Official Music Video]

小田:変わってきたというより、“この曲だから”っていう部分が大きいと思います。僕も最初は「なんで7人で歌うんだろう?」って思ったんです。でも、いただいた歌詞を読んだら腑に落ちました。はじめから7人それぞれに合った歌詞になっていて、「このパートはこの人にぴったりだ!」って。だから、そういうことなんだなと思いました。実際にチーフマネージャーさんから一人ひとり呼ばれて「自分が歌いたいフレーズやパートをひとりひとつずつ選んで!」と言っていただき、それぞれが選んだところを歌っていたりします。7人で歌うことに意味がある曲だなと感じています。

田倉:あと、いろいろな歌声が乗っていることで華やかさが増しますし。聴いている人を飽きさせないっていうのも、7人で歌う理由のひとつだと思います。

――それぞれ、レコーディングで特に力を入れたフレーズや注目してほしいポイントはありますか?

鈴木:僕の見せ場は、1番のBメロの〈自己愛は 世界を救うのです〉ですね。僕、自分のことが大好きなんですよ! 自分自身のことをリスペクトできる人間でありたいと思っているんです。だからこそフルファミ(ファンの呼称)のみんなにも、そうであってほしいなと思って。このパートは自ら「歌いたいです!」とお伝えして、大切に歌わせていただいています。

――レコーディング中、ヒャダインさん流のディレクションを感じる場面はありましたか?

鈴木:僕らはヒャダインさんと知る前にレコーディングしているので、ボーカルディレクションは別のスタッフさんがやられていたのですが、「このパートはふざけて歌っていいよ」って言われたのが印象深いですね。アットホームな環境で、のびのび楽しくレコーディングできました。

田倉:僕は1Aの〈自分のことすら愛せない人が/他人を思いやれないでしょ?〉に力を入れました。この曲は全体的に賑やかに歌ってるんですが、このパートは歌割りも僕と惟真の2声ですし、振り付けもガラッと雰囲気が変わって普通に歩くだけで。シンプルかつ、大事なことが詰まっているフレーズです。

――〈自分のことすら愛せない人が〉とありますが、暉久くんにもそんな経験はありますか?

田倉:うん、ありました。2022年の春にひとり暮らしを始めてから、考え事をする時間が増えて、当時はよく自己嫌悪に陥っていたんですよ。でも「チグハグ」を発表してからは、少しずつ自分を好きになれてきて。自分自身、歌や言葉の力に背中を押されて、前向きになれたんです。なので、自分の経験を歌に活かせたらいいなと。歌割りを決める時も自ら立候補しましたし、振り切ったポジティブさを届けているなかでも、聴いている人の心にスッと入っていくような優しい歌声を目指してレコーディングしました。

松本:僕はサビの頭を担当しています。2サビは、晴海が好きだと言ってくれた〈楽しいことを 楽しい人と/楽しい顔で 楽しもうじゃないか〉。1サビと3サビでは〈好きな服着て 好きな口調で/好きな表情で 好きなメイクして〉という歌詞を歌っています。僕、よく「喋り方変だね」って言われるんです(笑)。でも、スパフルに入ってからは「どんな口調でも、どんなことを好きでもいいじゃないか!」って思えるようになって、これも自分らしさなんだって自信を持てたんです。だから、この曲のサビで堂々と〈好きな口調で〉って歌えることがすごく嬉しくって!

鈴木:でも、勇輝の口調は全然変じゃないよ。

松本:ありがと! 「どんな自分でも愛して、他の人に優しくできればいいんじゃない?」という想いを込めて、歌っています。

星野:僕は1Bの〈嫌いなとこもあるけど〉を歌いました。この曲は全体的にポジティブで「自分大好き~!」っていう感じの歌詞なんですけど、そのなかでも唯一ネガティブなのが、このパートなんです。でもそれって、自己愛を歌ううえでは絶対必要な要素だと思うんですよ。ネガな部分は誰にでもあるし、人間は不完全だからこそ愛おしいし、自分の欠点をどれだけ受け入れられるかが自己愛に繋がってくると思うから。そういう意味でもすごく重要なパートだと感じたので、「すごいところを任された!」「責任重大だ!」と思いながらレコーディングしました。

――ポジティブなメッセージを届ける楽曲でネガティブ要素を歌うのは、なかなか難しそうですね。

星野:そうなんです。ネガティブを強く出すと、他のパートと並んだ時に浮いちゃうので、ポップにかわいく、少しあざとく。ネガな歌詞ではあるけれど、ポジな印象に変えられたらいいなと思いながら、声色や歌い方を工夫して歌ってます。

堀内:そして、僕が力を入れたところは――。

――2Aの〈おやつは 牛丼(大盛り!)〉でしょう?

堀内:はい!

一同:あはははは!

堀内:牛丼好きと言えば僕なので、ここはいちばん気合いを入れて歌いました。ヒャダインさんが僕らの情報をリサーチしてくださったのか、スタッフさんが事前に僕の情報を送ってくださったのかはわからないですけど、ピンポイントで〈牛丼〉というワードを選ぶところに「さすがヒャダインさん、天才だな!」って思いましたね。ものすごく速いテンポの曲なのに、これだけ僕らの特徴を詰め込んでくださるなんて……。だからこそ、僕もこの短い一言でどれだけお客さんの心を掴めるかが勝負だと思っています。全国各地でのフリーライブでもめちゃくちゃ派手にパフォーマンスして、“堀内結流=牛丼好き”を印象づけるつもりです(笑)。

――〈大盛り!〉の部分を歌ってるのは、ムードメーカーの志音くん?

鈴木:そうです! そのパートは、ライブでも気合いを入れて「お!お!も!り!」って叫ぶので、一緒に声を出してもらえたら嬉しいです(笑)。

――余談ですけど、このインタビューに向けてこの曲を聴いていたら「牛丼食べなきゃ!」って思い始めて。結流くんの歌声に突き動かされるまま昨日牛丼大盛りに挑戦したら、胃が痛くなって……(笑)。

一同:あははははは!

阿部:この曲、そんな効果もあるんですか!?

田倉:サブリミナル効果(笑)!

堀内:なんか申し訳ないけど、嬉しい(笑)。たしかに牛丼って、僕みたいに頻繁に食べる人は少ないかもしれないけど、他の人から言われると食べたくなりますもんね。

田倉:〈おやつは 牛丼(大盛り!)〉を叫びながら全国を回ったら、もしかしたら牛丼屋さんの売り上げが伸びて、もしかしたらCMのお仕事がくるんじゃない?

堀内:ついに俺の時代が来るか!

一同:オファーお待ちしてます!

――話を戻して(笑)、惟真くんと隼大くんの聴きどころはどこでしょうか。

小田:1サビと3サビの歌い出しにある〈好きな服着て〉ですね。僕はもともと、服にあまり興味がなかったんですよ。でも、ここ数年、徐々に服に興味を持ち始めて……。

(ファッショニスタ)鈴木:ありがとう!

堀内:誰の影響か、まだ言ってないから!

小田:(笑)。どんな服を着るかで一日の気分も変わるし、自分が好きな自分になれるのがファッションの魅力だと思っているので、このポジティブな気持ちをみんなと共有できたらいいなと思いながらレコーディングに臨みました。ただ、1番のサビは元気に歌ったんですけど、3サビは落ちメロなので曲調に合わせてちょっとクールな感じで歌っています。

星野:3サビはダンスも見どころだよね?

小田:そうそう! 3サビは振り付けも自分たちで考えて、各自がアレンジを効かせながらポーズしているんです。歌もダンスに合った表現をしました。

阿部:僕は1番、2番、3番、全部のサビの最後を歌っているんですけど、特に1番のサビ終わりの〈ぼくの人生なんだもん〉がお気に入りです。この曲を総括してる歌詞で、「誰に何を言われても一度しかない僕の人生なんだから、自分の好きなように生きてみよう!」というメッセージを込めたフレーズなので、僕も振り切って歌いました。このレコーディングは時間をかけましたね。最初は自分なりの表現で歌っていたんですけど、どれだけ明るく歌ってもディレクターさんから「もっと明るく!」って言われて(笑)。他のパートも「もっとあざとく歌っていいよ!」と言われたり。

田倉:「もっと! もっと!」って思いながら歌ってたんだ(笑)?

阿部:うん(笑)。その結果、辿り着いた最高潮の〈ぼくの人生なんだもん〉が、音源に収録されています。

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