ExWHYZ、“Sweet & Sour”を抱えて駆け抜ける今 出会いの重なりから生まれた豊かな感情表現
「Sweet & Sour」は今のありのままを表現できる曲
――mikinaさんはこのEP、どんな作品になったと思います？
mikina：なんか……人生を感じます（笑）。最初は全部、なぜか懐かしい感じがしたんです。全体的に夏っていうイメージがあるんですけど、「記憶の中の夏」みたいなイメージがすごくあって。存在しないはずの“この曲との記憶”みたいなものが自分の中で生まれやすいな、みたいな。全部ちゃんと自分が主人公っていう感覚がありますね。
――確かに懐かしい感じはありますよね。
mikina：なんとなくですけど、全部が思い出した夏みたいな話なんですよね。みんなにとってもそういう、ずっと自分の中で生きるようなEPになってほしいなと思ってます。
――懐かしいと感じるってことは、ここで歌われている風景と全く同じではないけど、それに近いものを見て通じる感情を抱いたことがあるとか、今抱いてるとか、そういう接点みたいなものがたぶん大きいんだと思うんですよ。ExWHYZは作品を経るごとにどんどん等身大の部分が出てきた気がしますけど、今作ではさらにそれが出ている。
mikina：はい。
――5曲ともタイプが全然違う曲なのに、最終的にちゃんとExWHYZの等身大で歌えたというのがすごくいいなと思います。「present」なんて、cross-dominanceの曲にmayuさんとmahoさんが参加したのがオリジナルでしたけど、それもちゃんとExWHYZの曲になった。この曲をExWHYZでやれたというのはどうでしたか？
yu-ki：嬉しかったです。
mikina：やりたかったもんね。
yu-ki：本当にいい曲すぎて、2人が参加しているのが本当に羨ましくて。「いいな」って心の中で100回つぶやいてました。
now：「いいな」って言ってたもんね。
yu-ki：だからExWHYZで歌えるのがすごい嬉しかったですね。こんな素敵な曲を私たちが歌えるんだって。でも、やっぱり完成したものを聴くとどこか違うんですよね、mayuとmahoが歌っていたときとは。声の種類が増えることによって生まれる温かさを感じて。ExWHYZバージョンはExWHYZバージョンで、すごくいいものができたなと思ってます。
maho：ExWHYZでやって色がつきましたよね。鮮やかになったし、日本語詞になって、他のメンバーが歌ってスッと入ってくる部分が多くて。めっちゃいいなって思いました。
mikina：なんか、この曲、合唱曲みたいですよね。「か〜がやく〜」（〈輝く〉）みたいに歌ってて。大人になると、合唱曲ってより染みることがあるじゃないですか。そういう感じ。
――今回ExWHYZがやることでそうなったんじゃないですか。だってトラック自体はバキバキだし、リズムとかもめちゃくちゃ難しいと思うんですよ。「教えない」もそうですけど。
yu-ki：「教えない」は難しかったです……。レコーディングでは沼にはまりました（笑）。
mikina：音階も拍も全部、絶妙なところにくるから。だからこそ、この雰囲気が出てる。
――でも「教えない」はその分、この5曲の中で一番いい歌が聞こえてくる曲だなって思いました。距離感がすごく近いなと思ったし、パーソナルな部分が出てる曲だなと思って。EPにまとまったときに、「教えない」から「Sweet & Sour」への流れもすごく美しいなって思いました。どちらもKBSNKさんの曲ですけど。
yu-ki：KBSNKさん、初めてお会いしたんですよ。ライブを観に来てくださって。「ああ、KBSNKさんだ！」って（笑）。
mikina：うちらがグイグイ行ったら引かれちゃうと思ったから、抑えたよね（笑）。
yu-ki：でも夢に出てきたんだよね？
――夢に出てきた？
mikina：お会いする前にKBSNKさんに会う夢を見たんです。しかも顔を知らなかったので、想像上のKBSNKさんが（笑）。お会いしたときに我慢できなくて言っちゃったんですけど、たぶんちょっと引いてたと思う（笑）。
now：反応、困ってたもんね。
――そのKBSNKさんをはじめ、これまでExWHYZと関わってきた人たちもいるし、cross-dominanceみたいな、これまで交わらなかった人たちもいる。いろいろな出会いとこれまで培ってきたものがうまく重なってこの5曲が生まれた感じがします。「NIGHT COASTER」とか、Seihoさん思いっきりやってる感じじゃないですか。
yu-ki：『eLATION』ツアー（『ExWHYZ TOUR 2023 'eLATION'』）のときにSeihoさん、「あ、マスターこれくらい行けるんですね、わかりました」みたいな感じだったんです。それでこの曲が来たので、「マスターならノレると思って作ってくださったんだな」と思うとすごく嬉しかったです。
maho：マスターの力の見せどころやでって（笑）。
――本当にそうですよね。これ、結構容赦ないトラックですよ。
yu-ki：そう感じてもらえたのがすごく嬉しかったし、今までみんなと一緒に積み上げてきた時間もあってそういう空間が作れたので、よかったなって思いますね。
――このEPを形作っているのって、まさにその積み重ねだと思うんですよ。マスターに対する信頼もそうだし、クリエイターとの信頼関係もそうだし。ExWHYZならここまでできる、マスターならここまで行けるっていう確信の結果、辿り着けた5曲という感じがする。
yu-ki：ありがとうございます。
――その中に「ドラマ」や「Sweet & Sour」みたいな、マスターと歌えそうな曲もあって。「ドラマ」はmikinaさんが作詞に参加していますけど、いい曲ですね。
mikina：本当ですか！？ これはデモを聴いて歌詞を書き起こして、それを何度か書き直したのちにASOBOiSMさんがガッツリ監修してくださって完成したんです。いろいろな人に広い範囲で届くような曲になったと思うので……自信あります！
――デモを聴いてどんなことを思い浮かべたんですか？
mikina：“運命的で衝撃的な出会い”みたいな。一目惚れをテーマに最初は書いていたんです。ヒーロー的な存在じゃないですけど、ビビッときて「この人がいるから、私の中で嬉しい感情も寂しい感情も生まれる」みたいな出会いを書こうと思って。でもそれがどんどん重たくなっていったというか、“愛”になっていって。結果的に結婚みたいな感じというか、お互いを思いやり、受け入れ合うみたいな、知らない間に救われていることを思い出させてくれる歌詞になった感じですね。
now：このタイミングだからこそ気づけることが、この曲の歌詞にはいっぱいあるなって思います。EPの1曲目ということで始まり感もあるんですけど、フィナーレ感もあるし。あの、サックス……。
――ああ、サックス入ってますね。
now：本当に個人的な話なんですけど、今、サックスを吹いている素敵な方をSNSで見つけて、ずっとその人の動画を観たりしているんです。サックスという楽器が素敵だなと思っていたところに、この楽曲がきて。楽器によってまた雰囲気がガラっと変わるし、あるとないとでは雰囲気も絶対違っただろうなと思うので――。
yu-ki：サックスがあってよかったという話？
now：サックスがあってよかったし、このまっすぐな歌詞がすごく好きだから、これからライブで歌っていく上でちゃんとまっすぐに届けていきたいなと思います。
――「ドラマ」って、ExWHYZとチーム、ExWHYZとマスターの関係性とか、いろいろなものが重なってくる感じがするんです。そういう意味で、すごく大事な曲になっていくんじゃないかなっていう感じがしますよね。
yu-ki：そうですね。いっぱい歌っていきたいです！
――この曲で始まって、最後「Sweet & Sour」で終わることによって、EPがちゃんとパッケージされた感じがします。「Sweet & Sour」はすでにライブでも披露していますね。
maho：この曲は歌う時々によっていろいろ変化するんだろうなって思います。自分の状態によって変わる曲だなって。だからパフォーマンスもすごくリアルに結びついて、今のありのままを表現できる曲なんじゃないかなって思いながら、やっていますね。
yu-ki：「Sweet & Sour」は聴くたびにライブの風景がすごく浮かぶんですよ。夏の風景を歌ってるけど、忘れたくない時間だったり「好きだな」って感じた時間とかが、聴いたときに思い浮かぶ曲なのかなと思っていて。だから、マスターのみんなが聴いたときに思い浮かぶ景色を、私たちがこれから作っていけたらいいなって思います。
突き進んできた2年間を経て、今大事にしたいもの
――ExWHYZがスタートして2年、皆さんは常に未来を見て、すごいスピードで走り続けてきたと思うんですよね。だけど「Sweet & Sour」は今ここ、今この瞬間に改めてちゃんとフォーカスして、そこでちゃんと関係性を作っていこうよって歌っている。そっちの方がきっと難しいと思うんですけど、2年を経てExWHYZはそういうフェーズに入ったんだなって。
mikina：この2年、リリースのスピードはかなり速かったですし、時の波に飲まれそうなタイミングもあったんですけど……今2人お休みしてるのもあって、このタイミングってめちゃくちゃ大事なんじゃないかなっていうのは自分の中でもあって。今はちゃんとこの曲たちを自分の中でも受け入れられるような感覚があるから、これを機に、1個1個丁寧に感じるっていうことが、時間を大事にするってことなんじゃないかなと思えてきましたね。これからもそうありたいなと思いますし。
――今のExWHYZはまさに“SweetとSour”、両方抱えて走っていますからね。それをどちらもちゃんと感じていくっていう。
now：今まで一つひとつの感情に向き合ってこれなかったというか。正直、無視してきた感情もあったし、逃げていたかもしれない感情もめっちゃあったんです。でも、メンバーとかマスターと一緒にいる時間を重ねていくごとに、どんな感情でも大切にしたいって気づけた。確かめ合って伝え合っていくことが何より大切なんだと、今年ツアーをやって、このEPを作ってやっと気づけたんですよ。今のグループの状況はあるにせよ、心はこの2年の中で一番強い状態でいるので、駆け抜けていきたいなと思っています。
yu-ki：この2年間は本当に試行錯誤だった感じがしますね。本当に目まぐるしく動いていく時間の中で、「ちゃんと向き合えているか」とか、「自分たちはどう思ってるのか」っていう話し合いをメンバー間でしたりして、気持ちの向きを確認し合ってきた2年間だと思います。きっとそれって、これからも進んでいく上で一番大事なものだと思うので、続けていきたいなと思いますね。
maho：どんなことをするにも、込める思いだとか熱意だとか、そういうものが大事だというのはEMPiREのときから変わらないので。自分の心と向き合って、そこだけは忘れないようにしていきたいなと思います。省みることも大事だと思うし、立ち止まることだって全然悪いことじゃないと思うし。それも「いい未来を信じたい」とか、「続けたい」という気持ちのための手段だから。そういう熱量を今までも大事にしてきたし、これからも大事にしていきたいなって思いますね。
◾️リリース情報
『Sweet＆Sour』
7月31日（水）リリース
・配信：https://lnk.to/ExWHYZ_ss
・CD予約：https://lnk.to/ExWHYZ_0731ec
【初回生産限定盤】[2CD+Blu-ray+PHOTOBOOK]
価格：10,000円（税込）
【DVD盤】[CD+DVD]
価格：5,800円（税込）
【通常盤】[CD]
価格：2,500円（税込）
＜収録内容＞
・CD（全形態共通）：全5曲収録
01_ドラマ
02_NIGHT COASTER
03_present [ExWHYZ Ver.] （ExWHYZ + cross-dominanc）
04_教えない
05_Sweet & Sour
・LIVE CD（初回生産限定盤）
01.Dresscode
02.Universe
03.ANSWER
04.Unknown Sense
05.4:00 a.m [80KIDZ REMIX]
06.虜
07.Shall We
08.Secret Secret [Shin Sakiura REMIX]
09.Des Speeching
10.フラチナサマー
11.6WHYZ
12.Obsession
13.ANSWER [Seiho REMIX]
14.Fleeting
15.NOT SORRY
16.Our Song
＜Blu-ray収録内容（初回生産限定盤）＞
『ExWHYZ presents ‘SeihoWHYZ’ at Spotify O-EAST』2024年3月14日
Dresscode
Universe
ANSWER
Unknown Sense
4:00 a.m [80KIDZ REMIX]
虜
Shall We
Secret Secret [Shin Sakiura REMIX]
Des Speeching
フラチナサマー
6WHYZ
Obsession
ANSWER [Seiho REMIX]
Fleeting
NOT SORRY
Our Song
※初回生産限定盤のみメンバー副音声収録
「Sweet & Sour」MV
＜DVD収録内容（DVD盤）＞
『ExWHYZ presents ‘SeihoWHYZ’ at Spotify O-EAST』2024年3月14日
Dresscode
Universe
ANSWER
Unknown Sense
4:00 a.m [80KIDZ REMIX]
虜
Shall We
Secret Secret [Shin Sakiura REMIX]
Des Speeching
フラチナサマー
6WHYZ
Obsession
ANSWER [Seiho REMIX]
Fleeting
NOT SORRY
Our Song
■ライブ情報
『ExWHYZ TOUR 2024 ‘Futura Free’』
7月31日（水）Zepp Shinjuku [東京]
OPEN 18:00 / START 19:00
■追加公演情報
『ExWHYZ TOUR 2024 Futura Free+‘Reinforce’』
2024年9月8日（日）Zepp Shinjuku [東京]
