ジョー・力一、ユーモラスかつ華やかなエンターテイナー 音楽への真摯な姿勢も滲み出た初単独ライブ
アンコールの1曲目は、筋肉少女帯「サンフランシスコ」のカバー。「サーカスナイト」に続き、伝説の『NIJIROCK NEXT BEAT』でのセットリストを再現とあって、会場の熱量はさらに上がり続ける。「ここからが本番でございます! ぐちゃぐちゃになるまで帰しましませんよ!」と煽り、「光が足りないですか? ならもっと浴びていけばいいじゃない!」と指先から鋭いレーザーを放ち、ここまで覆い隠していた激しさ、苛烈さをあらわに、客席を盛り上げていく。
さらに新曲「翻弄」をサプライズ発表、そして披露と怒涛のステージが続く。これまでの楽曲とは一味違い、拡声器を手にシャウトするロックナンバーからは妖艶さや高潔さ、ストーリーテラーとしての魅力、そしてトリックスターとしてのジョー・力一……と、多彩な姿が織り込まれた名曲だ。
大きな手拍子と歓声の中、バンドメンバーの紹介に続き、本来この日の翌日にライブが行われるはずだったが延期となった「さんばか」へのエールをアドリブで送るシーンなどもあり、あたたかい空気の中、ライブも終わりに近づく。
この日のラストナンバーは「レイテストショーマン(ライブアレンジver.)」。激しいコールアンドレスポンスで会場が一つになり、美しく力強いボーカルを会場に響かせる。彼を象徴するこの代表曲が生み出す一体感は閉幕にもふさわしく、「カーニバル・リヴ、これにて閉幕。またどこかでお会いしましょう!」の言葉で、ライブの幕を下ろした。
最後に「出し切りました」と語ったとおり、ジョー・力一の魅力が詰まったステージだった。ショーマンとしての実力、イメージを最大限に活かしながらもさまざまなサプライズを仕掛ける演出、客席の端から端まで見渡し手を振り感謝の気持ちを伝える姿からは、あたたかい人柄と実直さ、そしてたくさんのユーモアも読み取れた。彼の活動から日々の喜びを得ているファンにとっては、音楽も配信も地続きであり、そのすべてが彼の魅力なのだとあらためて再認識できたのではないだろうか。彼の新たな幕開けを祝福し、今後をさらに期待したくなるライブだった。
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