WANIMA、ツアー『Catch Up TOUR -1 Time 1 Chance-』78本目・Zepp Hanedaで伝えきった愛と情熱

 体感としてはあっという間、でも振り返ればここまで18曲、すでに1時間半が経過していた。ライブハウスで与えられた30分のスロットにすべてをぶち込むようなその密度に呆気に取られたが、もちろんライブはこれでは終わらない。スクリーンに2022年から続いてきたツアーを振り返る映像が流れ、この日まで78公演行われてきた『Catch Up TOUR -1 Time 1 Chance-』のファイナルとして、11月9日、10日に東京 有明アリーナ、11月23日、24日に兵庫 ワールド記念ホールにて『Catch Up TOUR Final 2022-2024』が開催されるという告知がなされてフロアが歓喜に沸くなか、3人はステージに戻ってきた。

 「去年の11月から新体制になって、『今まで通ってきた道にリスペクトを忘れず、ここから先は愛と情熱を持ってやっていこう』と仲間たちとメンバーと決めて今までやってきました」と熱気冷めやらぬオーディエンスに向けて語り始めるKENTA。「若い時は技術不足、力不足でみんなに伝えきれんかったところもある。でも、今やったらいろんなことを取り返しながら、巻き返しながら、またやっていけるんじゃないかな」。この日のライブは、まさにそんな彼の言葉をそのまま体現するようなものだった。愛と情熱、あらためて伝えたいこと……そしてそれをいちばん伝えきることができるのは、KENTAの爆笑MCではなく楽曲と3人の演奏だ。そんなプライドを示すように、怒涛のアンコールがここからスタートしていった。

 「2億年ぶりにやります」と披露された「Drive」から続けて披露された「花火」では、歌をほとんどオーディエンスに任せてKENTAはステージをうろうろ。KO-SHINも笑顔でギターをかき鳴らしている。さらにバキバキの照明のなか、アルバム『Catch Up』から「This That Shit」を繰り出すと、「ここで問題です、何回だって繰り返しやってもいいのはなんでしょうか?」といきなりのKENTAクイズを挟んだりしつつ次々と曲を重ねていく3人(ちなみにクイズの答えはその後演奏された「リベンジ」だ)。彼らがアンコールでやる曲は、ステージ上でその場で決められている。KENTAの合図に即座に応えるメンバーも照明やPAのスタッフもとんでもないスリルだと思うが、それも含めてヒリヒリした熱がどんどんと高まっていく。

 そんな熱い夜を締め括ったのは「いいから」だった。KO-SHINが思わずギターを弾くのをやめてコーラスを歌い出したりするぐらいに自由な空気を醸し出しながら(KENTAは「KO-SHIN、おまえがギターを弾かないと俺は歌えない……ほら見ろ、歌詞が飛んだ!」と困っていたが)、Zepp Hanedaは最後の最後まで盛り上がりきった。「これがライブやぞ、これが生きるってことやぞ!」。そんなKENTAの言葉がすべて。生々しくて荒々しくて、そして清々しい、最高にフレッシュなWANIMAのワンマンライブだった。

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