春猿火、“魂”を燃やした圧巻のパフォーマンス　「シャーマニズム」シリーズ完結で次のステージへ

　KAMITSUBAKI STUDIO所属のバーチャルラップシンガー 春猿火が、2024年4月10日にZepp Shinjuku（TOKYO）にて『KAMITSUBAKI WARS 2024 神椿新宿戦線 春猿火 3rd ONE-MAN LIVE 「シャーマニズムIII」』を開催した。彼女にとって3度目のワンマンライブにして「シャーマニズム」シリーズ完結編となる本公演は、彼女の代表曲はもちろん、様々な表情を覗かせる新曲の多数披露、また豪華ゲストや新衣装のお披露目などもあり、盛りだくさんな内容で繰り広げられた。そしてなによりも、春猿火としてステージに立つ彼女の覚悟や成長を感じさせるステージとなっただろう。

　会場は全チケットが完売したこともあり、観測者（KAMITSUBAKI STUDIOファンの総称）がフロアを埋め尽くしていた。各々の手には台風を模したペンライトが握られている。定刻を迎え、ステージに姿を現した彼女が奏でるオープニングナンバーは「台風の子」。「いくぞZeppー！」と力強くシャウトし、続いてダークなビートで哀愁漂う「Pleiades」を披露。早くも会場は熱気に包まれた。MCパートでは「皆さんの顔、ちゃんと見えてますよ！」と喜びの言葉を口にする。現地ワンマンライブは2年半ぶり、また声出しの解禁ということもあり、観測者との交流を心待ちにしていたのだろう。彼女の顔には笑みが浮かんでいた。MCを終え、歓声やペンライトの色鮮やかな光を力に、「自由までの距離」、「台風の眼」、「Wind walker」を連続で歌い上げる。

　“-私は私をずっと知りたいよ”とポエトリーリーディングを挟み、衣装を「纏 其ノ特 -五色-」にチェンジ。「声帯学」「迷人」「フリーフォール」といった歌唱難度の高い楽曲を、丁寧かつアグレッシブに歌い上げる姿から目が離せなかった。

　ここで本公演初のゲスト 梓川を迎え「friction（Remix）feat. 梓川」を披露。梓川がステージに姿を見せると同時に、ここまでで一番の歓声が会場に響いた。次に披露されたのは、新曲「Starcloud」。ラウドロックなサウンドに、春猿火の力強くも優しい歌声がマッチした、まさに星のように人々を照らす楽曲だ。会場を覆い尽くす赤一色のペンライトの光が、強く印象に残っている。

　ここまで10曲を矢継ぎ早に披露した春猿火。アップテンポで高速ラップを交えた楽曲が続いており、会場の熱気は上がり続けている。「纏 其ノ特 -九紋龍 戒-」へと変貌を遂げた彼女は、ソフトなサウンドな「Oarana」「ディストーション」「哀愁さえも仲間」「daydream」を連続で歌唱し、オーバーヒート寸前だった会場の熱気を整えた。「テラ」「中間地点」を披露した後のMCでは、これまでのワンマンライブを振り返り、「大切な居場所がこれからもずっとあり続けることを願っています」と決意の言葉を紡ぐ。そして笑顔でコールされた「居場所」を通し、会場のボルテージは再び最高潮を迎えた。