櫻坂46 三期生加入から初海外公演、そして再び『紅白』出場へ 充実の1年を振り返る

 三期生11人の加入、初の海外公演を経て、2年ぶりとなる『NHK紅白歌合戦』(NHK総合)への出場を果たす櫻坂46。2023年を振り返ってみるとひとつのキーワードとして“世代交代”が思い浮かぶが、新旧がうまく融合し合い、グループとして充実した1年だったように思う。本稿では櫻坂46の2023年の活動を振り返ってみたい。

三期生ドキュメンタリー『私たち、櫻坂46三期生です』Episode 01

 今年もっとも大きなトピックと言えば、やはり三期生の加入であると言える。グループに新メンバーがグループに加入するのは2020年以来、実に3年ぶり。昨年は前キャプテンの菅井友香をはじめ、多くの一期生が卒業したこともあり、加入する三期生11人には大きな期待がかけられていた。公式YouTubeチャンネルで連日メンバーのプロフィール紹介動画が公開されると、SNSでは大きな話題を呼ぶ。彼女たちに櫻坂46の未来を託したBuddies(櫻坂46ファンの呼称)も多かっただろう。

櫻坂46『静寂の暴力』

 プロフィール動画や『そこ曲がったら、櫻坂?』(テレビ東京/以下、そこさく)でのメンバーの個性はもちろん、筆者が目を奪われたのはYouTubeで公開されたドキュメンタリー映像での三期生の櫻坂46への熱い想いだった。いちから作り上げていく立場とは違って、すでに基盤が確立されたグループへの適応は非常に難しかったと想像する。だが、ぴあアリーナMMにて開催された『櫻坂46 三期生「おもてなし会」』や全国5カ所11公演を回った『櫻坂46 3rd TOUR 2023』を経て三期生は櫻坂46にフィットしてみせ、6thシングル『Start over!』に収録された三期生曲「静寂の暴力」では現時点における集大成を示した。そうして1年をかけて三期生が積み上げてきた経験が活かされたのが『新参者 Live at THEATER MILANO-Za』である。まだ加入まもない彼女たちが単独で10公演を乗り切るという試みからは、身体的にも精神的にも成長が見て取れた。

 三期生が即戦力としてグループにフィットしてみせた一方で、2023年は二期生の関有美子、一期生の土生瑞穂が卒業することとなった。冠番組『そこさく』ではMCの土田晃之と澤部佑(ハライチ)から“有美子会長”の愛称で特別な地位を確立した関、ファッションモデルとしてグループ外へと活路を見出した土生の卒業はファンにとっても複雑なものだっただろう。そして、11月には小林由依が卒業を発表。2024年1月31日と2月1日に代々木第一体育館で卒業コンサートを行い、2月1日をもってグループを卒業予定となっている。欅坂46時代から数えると今年で9年目を迎えたグループは幾度もの障壁に押しつぶされそうになりながらも、必死に食らいつき乗り越えてきた。長期的な視野で見れば、草創期のメンバーが卒業をしていくのは、グループが長く続いていくためには受け入れなければならないのも事実だ。だが、同時に今年は三期生が目まぐるしい速さで先輩たちと肩を並べ、グループにいい刺激をもたらしてくれた。卒業生を安心して送り出せるのはこうした後輩たちの頑張りによるところも大きい。

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