HOLIDAY! RECORDSが10年続く理由 ショップだけではないリスナーやバンドの居場所づくり

HOLIDAY! RECORDSが持つ、メディアとしての力 

 HOLIDAY! RECORDSは来年で10周年を迎える。この活動を10年間続けられた秘訣とは何であろうか。 

「しんどいと思うこともあります。でもライブハウスに行ってお客さんや店員さん、バンドマンたちと喋っていると元気が出るし、なにか力になれたらいいなと思うんです。そういえばつい最近、若い子から『今度メディアを始めるんです』『打倒、HOLIDAY! RECORDS』と言われました(笑)」 

 今や若者の目標にもなっているHOLIDAY! RECORDS。そのスタイルはショップの概念を飛び越えて、メディアとしても機能していると感じる。自分がいいと思ったものをSNSやライブなどを駆使して人々に伝える。LINEのオープンチャット等で音楽好きが集まる場所づくりを行う。それらはメディアの使命である、人と人を結びつけることそのものだ。そして植野はそれを打算ではなく、「やりたいからやる」という感覚でやってしまう。そういう感覚がリスナーにも伝わるからこそ、今へとつながっているように感じる。最後に今後のことについて話を聞いてみた。 

「最近はTikTokの持つ数字のインパクトってものすごいし、やる方のモチベーションにも関わるじゃないですか。でも、TikTokではピックアップされない、良い音楽もたくさんある。そういう音楽もちゃんと発信したい。僕は一人でやっているから逃げ場はないですが、好きなものを発信する義務もある。しがらみなく、今後もいろんなバンドを勧めていきたい。 

 前に北加賀屋のcafe&bar O'haraっていうカフェで、オススメのCDやレコードを持ち寄り、お店にあるDJセットで一緒に聴くというイベントをやったことがあって。それは先ほど話をした、自分の好きを語れる場所としても機能して、CDレコードを買う理由にもなると思ったんです。今後もそういう場所を誰かとやれたらいいなと感じています」 

 常にその視線がリスナーやバンドマンに向いているショップでありメディア。利益のみを考えず、人と向き合うからこそ多くの人から愛される場所になっているように感じる。この先、10年、20年とバンドマンやリスナーの強い味方であり続けるのではないか。取材を通じてそんなことを思わざるを得なかった。 

※1:https://profile.ameba.jp/ameba/holidayrecords

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