Nulbarich「DISCO PRANK feat. Leo Uchida (Kroi)」

　ニューアルバム『The Roller Skating Tour』からの先行シングル「DISCO PRANK feat. Leo Uchida (Kroi)」は、ネオミクスチャーを掲げるロックバンド Kroiのボーカリスト・内田怜央をフィーチャーした楽曲。古き良きディスコサウンドを換骨奪胎し、現在進行形のダンストラックへと見事に昇華している。“PRANK”（いたずら、悪ふざけを意味するスラング）という言葉通り、遊び心に溢れまくったトラックメイクや内田の奔放なボーカリゼーションがしっかりと結びついているのもこの曲の魅力だ。ルーツを押さえながらも、そこに捉われず、自らの創作本能に従う。身体を揺らしながら〈無駄ない真面目焼き払う〉〈世を変えるキーはPRANK〉といったラインを受け取ったとき、誰もが「音楽はもっと自由でいいはずだ」と実感することになるはずだ。（森）

DISH//「いつだってHIGH！」

　『DayDay.』（日本テレビ系）番組内で行われるダンス動画コンテスト『LOVE ダン-高校ダンス動画フェス2024-』の課題曲となる書き下ろし新曲。DISH//らしさよりも、全員でひとつのことに打ち込む青春のワンシーンに溶け込む明るさ、わかりやすさ、そして何より踊りやすいBPMを意識した、みんなのための応援歌であると言えるだろう。曲調は愛されるディスコクラシックのJ-POP解釈。現代のトレンド云々で語る先鋭性はないけれど、数回聴くだけでサビが頭から離れなくなる中毒性は高く、歌声から幸せが滲み出ているのもいい。バブリーダンスの生みの親であるakaneが考案した課題の振り付けも公開中。思った以上に難易度は高そうだ。（石井）

ano「猫吐極楽音頭」

　1stアルバム『猫猫吐吐』からの一曲。サビで連呼している〈ニャンニャンオェー〉は、“ネコネコハキハキ”とも読めるアルバムタイトルの正式な読みなので、この曲がアルバムの方向性を示すリードトラックと考えていいだろう。歪んだギターから始まるロックナンバーで、ファンキーなカッティングはかなりスリリング。サビは豪快なパンクで疾走し、かと思えば急にゆったりとまどろむピアノ演奏パートが出てくるなど、くるくる表情を変えながら終始楽しく進む。歌詞も決して無意味ではなく〈ドキドキさせちゃうもんね〉〈これが最高のエンターテイナー〉など、anoが世間に何を提示するのか宣誓する内容だ。ふざけでも露悪でもない本気の熱を感じる。（石井）