2023.11.29 18:00

礒部花凜＆船戸ゆり絵＆小泉萌香、MIX JUICE from アミュボchは“帰る場所”に　音楽遍歴や展望も語る

文・取材＝小林千絵、写真＝伊藤惇

　礒部花凜、船戸ゆり絵、小泉萌香により結成されたMIX JUICE from アミュボch。今年3月に開催された『AMUSE VOICE ACTORS CHANNEL FES 2023』のリハーサル時の3ショットに、メンバー自らがつけたハッシュタグ「#アミュボ三姉妹」が起源となり、YouTubeチャンネル「AMUSE VOICE ACTORS CHANNEL」で何かやりたい、という話からユニットを結成し、ミニアルバム『MIX JUICE』をリリースすることに。それぞれの音楽遍歴や3人で歌う「ぐるぐるミックスジュース」とソロ曲について、さらには今後の展望に至るまで、仲睦まじく語り合ってもらった。（編集部）【記事最後にプレゼント情報あり】

ミュージカル、アニソン、クラシック…ルーツもバラバラな3人が集結！

──MIX JUICE from アミュボchは、AMUSE VOICE ACTORS CHANNEL（アミュボch）というアミューズ所属の女性声優によるYouTubeチャンネルから生まれたユニットですが、その中からこの3人でユニットを組んで曲をリリースすると聞いたときはどう思いましたか？

礒部花凜（以下、礒部）：斜め上すぎてびっくりしました。

船戸ゆり絵（以下、船戸）：「まさかそんなことが！」って。

礒部：もともと、この3人で何かやりたいねという話はしていたんですけど、その“何か”って、アミュボch内でピクニックとか、そういうまったりできる企画のことで。

小泉萌香（以下、小泉）：アミュボchっぽい何かをね。

礒部：そうそう。そういう、チャンネル内での企画を3人でやりたいという気持ちで「#アミュボ三姉妹」というハッシュタグを作ってスタッフさんにアピールしていたんですが……こんな大企画になるなんて。

船戸：ねえ！

礒部：驚きです。

──そもそも「アミュボ三姉妹」はなぜこの3人だったのでしょう？

船戸：アミュボフェス（『AMUSE VOICE ACTORS CHANNEL FES 2023』）のリハ終わりに3人でご飯に行ったんです。そこで「やっぱり波長合うよね、私たち」と確信して、それからですね。一緒にいて楽なんです。花凜ちゃんが「この3人で何かやりたい」って言ってくれたのがきっかけでした。

礒部：やっぱり、気がついたらこの3人で一緒にいたんだよね。

小泉：そうです、そうです。

礒部：アミュボchもお仕事ではあるんですけど、この3人でいるとプライベート感があるというか。だから気を張らずに遊び心を持って企画ができたらいいよねって。

──そんな3人がユニットを組んで楽曲をリリースすると。礒部さん、小泉さんはこれまでにご自身名義での楽曲リリースもされていますが、船戸さんはご自身の名義での音楽活動は初めてですよね？

船戸：はい、コンテンツでのキャラクターソングを歌わせていただいたことはありますが「船戸ゆり絵」として歌うのは初めてです。キャラを背負って歌うのとは違うので、一瞬戸惑ったんですが、アミュボchの中だと素でいられるので大丈夫かなと思って挑戦しました。

──今作にはそれぞれのソロ曲も入っていて、しっかり3人の歌声も堪能できます。せっかくの機会なので、それぞれの音楽遍歴を教えてください。

礒部：私は小さい頃からミュージカルが好きで、特に作曲家のフランク・ワイルドホーンさんという方の手がける音楽が好きです。起承転結や喜怒哀楽があってすごく劇的で「今から絶対にショッキングな展開がくる！」とか「ここがクライマックスだ」ってわかるような、その劇を盛り立ててくれるような音楽なんです。ミュージカルを観に行って「音楽が良かった」と思うとだいたいその方の作曲だったりするくらい。ミュージカルが好きだからこそ、自分が歌うときは話すように歌いたいなというのもずっと思っています。もちろん「なんとなく曲がいいな」というのもいいですが、その上に乗っているメッセージや姿勢を大切にして、ちゃんと伝わるように歌いたいなと思っています。

船戸：私は昔からアニメやゲームが大好きで、小さい頃からアニメのテーマソングや関連楽曲を聴いていました。アニメソングって作品に寄り添っているので、ストーリー性もあるし、心に響くんですよね。FLOWさんとかポルノグラフィティさん、ALI PROJECTさん、Kalafinaさんとか……本当にいろいろ聴いていました。自分がいつか歌いたいとか、そういうことは全く考えていなかったですが、でも歌うことは好きで、カラオケで歌ってみんなに褒められたりすると楽しいなと思っていました。あとはピアノを2歳から習っていて、中学生では吹奏楽部に入ってフルートを始めました。ちなみに「ぐるぐるミックスジュース」の歌詞にあるように、高校ではチア部でした！

小泉：私も小さい頃からピアノを習っていて、ずっと音楽に触れていました。お父さんがクラシック関係の音響のお仕事をしていたので、小さい頃からクラシック音楽を聴いていましたし、吹奏楽部のコンクールの録音などの仕事もしていたので、それについていったりしていて。本当に小さい頃から音楽に関わってきていたと思います。歌うことも小さい頃から好きだったのですが、その頃からなぜかメインよりもハモるほうが好きで。中・高校生時代は6年間コーラス部に入っていて、大学の時はアカペラサークルに入っていたので、ずっと歌を歌っていました。そのコーラス部のことを、2人が「ハモリ部」って言うんですけど（笑）。同時に中学生の頃からアニメやゲームも好きになったので、声優さんの仕事を含む声を使ったお仕事に就きたいと思って今の道に進みました。

──歌うことが好きになったきっかけの音楽はありますか？

小泉：気づいたら歌っていたのできっかけは覚えていないんですが、ずっと歌っていたのは氷川きよしさんですね。演歌が特別好きだったわけではないと思うんですが……もしかしたら今の私があるのは、氷川きよしさんのおかげかもしれないです（笑）。

──聴いてきた音楽や触れてきた音楽もバラバラの3人がMIX JUICE from アミュボchとして初めてリリースするミニアルバムのリードトラックが「ぐるぐるミックスジュース」。この曲を初めて聴いたときの印象を教えてください。

船戸：「私たちを表しているな」と感じました。

礒部：にぎやかな曲で、まずライブで歌うことが頭に浮かびました。コールアンドレスポンスも、覚えがいがあるくらいたくさんあるので、早くライブでやりたいなって、最初に聴いたときから思いました。

小泉：めちゃくちゃ“ぐるぐる”してるなって思いました（笑）。何回〈ぐるぐる〉って言ってるんだろうって。あとは絶対にライブで盛り上がるだろうなと思いました。こういう声を出せる系の曲を好きなファンの方は多いかなと思うし、予習しがいのある曲なんじゃないかな。

──「アミューズの〜？」のコールアンドレスポンスなんか、今すぐにでもやりたいですもんね。

船戸：やりたい！　マイク向けて「アミューズの〜？」って。

小泉：言ってほしい！

──皆さんがおっしゃる通り、コールアンドレスポンスが多かったり、それぞれのパートが自己紹介のような歌詞になっていたりと、遊び心満載の1曲ですが、レコーディングで大切にしたことや意識したことを教えてください。

礒部：私のソロパートは、“貴族担当”だからということでちょっとワルツが入っているので、優雅な感じなど自分の個性を出せるようにというのは意識しました。

船戸：この曲に関しては、単純に楽しく歌わせていただいたところが大きくて。〈お酒とゲームと休日は過ごしてます♡〉とか、本当に歌っているというよりもしゃべっている感じで歌わせてもらいました。あとは〈はい！はい！〉の掛け声は、ファンの皆さんがライブでやるようなパワーでやったので、歌い終わったあとは汗だくでした（笑）。

──船戸さんは初めて“船戸ゆり絵”として歌ったと思うのですが、そこは問題なく？

船戸：はい！　最初は「キャラを背負わないで歌うってどんな感じなのかな」と思ったんですけど、この曲は本当に難しいことを考えず、素のまま、全力で歌わせていただきました！

──小泉さんはレコーディングで意識したことはありますか？

小泉：もともと明るい楽曲で、「楽しく歌おう」と思わなくても楽しく歌えちゃう曲なので、感じたまま歌わせてもらいました。作った“楽しい”じゃなくて、そのまま歌ったら楽しかった。その自然な楽しさが伝わってくれたらいいなと思います。〈300% 濃縮した楽しさお届け！〉という歌詞があるんですけど、その通りで、私は楽しいをみんなと共有したい派なので、実際にみんなも楽しくなってくれたらうれしいです。