NMB48 渋谷凪咲が駆け抜けた11年間の軌跡　「人生は長いんだ」ダイアン＆かまいたち＆見取り図と共に送る全リスナーへのエール

　渋谷凪咲にとっての卒業シングルとなるNMB48の28thシングル『渚サイコー！』が、10月4日に発売された。その収録曲の中でも、渋谷の卒業ソング「人生は長いんだ」は発売前から話題になっていた。

　近年では白間美瑠の卒業シングルとなった25thシングル『シダレヤナギ』収録の「いつもの椅子」のように、NMB48、ひいてはAKB48グループでは卒業シングルに、そのメンバーにとっての卒業ソングが収録されるのがこれまでの習わしとして存在していた。

　「人生は長いんだ」もまた渋谷にとっての卒業ソングであることに変わりはないが、「渋谷凪咲 with ダイアン、かまいたち、見取り図」として、彼女と親交の深いダイアンのユースケと津田篤宏、かまいたちの山内健司と濱家隆一、見取り図の盛山晋太郎とリリーが参加しているのが最大のトピックである。男性ボーカルが入っている楽曲としては山本彩と稲垣潤一のデュエットソングAKB48「過ち」など前例はあるものの、誰もが認める人気お笑い芸人3組が集結するAKB48グループの楽曲は、恐らくこれが最初で最後だろう。それは渋谷がNMB48として、そして一人の渋谷凪咲として走り抜けてきた11年間の軌跡を象徴する結晶のような曲でもある。

　芸人も称賛するバラエティ力で、アイドルの枠を超えたタレントとしての躍進を続ける渋谷。『IPPONグランプリ』（フジテレビ系）への出場を筆頭にして、現在では『Day Day.』（日本テレビ系）、『イタズラジャーニー』（フジテレビ系）、『かまいたちの机上の空論城』（関西テレビ）、『大阪ほんわかテレビ』（読売テレビ）、『よ〜いドン！』（関西テレビ）、『発見！仰天！！プレミアもん！！！土曜はダメよ！』（読売テレビ）といった情報番組からバラエティまで、幅広い番組にレギュラー出演中。将来の夢に「女優」を掲げていた渋谷にとって、今年4月から放送されていたドラマ『だが、情熱はある』（日本テレビ系）での俳優デビューから感じた“トキメキ”が、グループを卒業し新たな道へと挑戦する大きなきっかけの一つになったようだ。

　大喜利で見せる抜群のワードセンスはもちろんのことだが、渋谷の魅力はその物怖じしない姿勢にある。いつかのNMB48のコンサートでカメコ席のファンを「カメラ小僧のみなさん」とやんわりイジっていたのが個人的には忘れられないのだが、バラエティでは『人志松本の酒のツマミになる話』（フジテレビ系）で松本人志にX（旧Twitter）をフォローされていることについて嬉しそうに、「数人しかいない唯一の女です」と絶妙な言い回しで松本への尊敬を表しながら同時に笑いを取ってしまうのが、渋谷がバラエティ番組に引っ張りだことなっている理由の一つであり、彼女が持つ特大の求心力だ。

　渋谷のYouTubeチャンネル「なぎちゃんネル」には、ダイアン、かまいたち、見取り図のもとにNMB48からの卒業とこれまでの感謝、そして楽曲への参加オファーを自らしに行く映像が公開されている。あまりに突飛なお願いにユースケは「もうむちゃくちゃやん。ずっとバカにしてない？」と信じられないといった表情を浮かべているが、その予感は案外的中してもいる。