音楽フェス参加者が考えるべきこと サークルモッシュやダイブなどに対する賛否について

 ここからはコロナ禍以降、制限が解除されダイブやサークル、モッシュが再び行われるライブをいくつか観ての、筆者の主観ではあるが、コロナ禍以前よりも危険なダイブやサークルモッシュが増えたように思う。コロナ禍で制限があった3年間の間、ダイブやサークル、モッシュの文化が途切れていたことで、そういった行為に不慣れな人、ブランクがある人も一定数いるだろう。そんな状況もまた、怪我のきっかけに繋がっているのではないだろうか。かつては初めてダイブする人も、ダイブが上手な人を見てやり方を学ぶことが多かった。サークル、モッシュもそうだ。サークルを回る速度やモッシュでのぶつかり方、倒れた人に対する周囲の対応などで、怪我の確率を下げる方法もある。それが将棋倒しになったり、サークルで回っている時に前が詰まって転んでいる人を見かける機会が増えた気がする。“危険行為禁止”という見方によっては曖昧とも捉えられるルールが参加者の認識の差異や暗黙の了解に繋がっているのだとしたら、今後はより具体的な注意喚起が求められるようになるのかもしれない。ロッキング・オンは今年の事故が起こる前から、2023年度は注意事項としてサークルモッシュの禁止を掲げていた。コロナ禍でライブシーンが変化していることを見据えてより具体的なルールにしたのだろう。

 8月17日にELLEGARDENがZOZOマリンスタジアムでワンマンライブを行った。開演前にボーカルの細美武士が出てきて、大阪公演で怪我人が発生したことへ言及しつつ、注意事項のアナウンスを行った。そこではダイブに対する見解を交えながら、他者に怪我をさせる行為の禁止をオーディエンスに強く伝えていた。ダイブやサークル、モッシュなどを“禁止”することへの賛否は様々だ。自身も他人も怪我や不快な思いをしないために、どのような行動をするかが一番重要だろう。

※1:https://rijfes.jp/2023/news/1898/
※2:https://twitter.com/uchikubigokumon/status/1655186923802222594

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