EXO カイ、入隊前最後のファンミーティングで語った前向きな想い　“真のエンターテイナー”として走り続けた10年

　ファンミーティング中の彼の話で驚かされたのが、「8月にソロコンサートを予定していた」ということ。涙を見せたインスタライブで言っていた「たくさん準備していた」の中には、EXOとしてのグループ活動だけでなく、このソロコンサートも含まれていたのだ。

　最後の挨拶では「実感がわきません。でも、ただただ楽しかった。残念で悲しいけど、これからも良い日がたくさんあるだろうし、僕は死ぬ直前まで頑張るので、まだまだたくさんの時間がある。心配はありません、皆さん。泣かずに涙を拭いてください。待っていてください。今日のおかげで無事に行ってこられそうです」と感謝を伝えると、「髪は明日（10日）切る予定。でも、かっこいいと思うよ！」と言って、悲しむファンを笑わせてくれた。

　朝鮮戦争により南北に分断された韓国と北朝鮮は、1953年に休戦協定が結ばれたが、現在も終結はしていない。そのため韓国のすべての成人男性には、国防の義務を遂行する「兵役」が課せられ、通常の兵役法では満20歳～28歳の誕生日までに入隊しなければならない。1994年1月14日生まれのカイは、本来ならすでに入隊している年齢だが、入隊延期申請により延期が許可されていた。現行法では2年の間に計5回の延期が可能で、芸能活動のように先のスケジュールが決まっている場合は2回まで、病気や入試、家族の危篤・死亡などは3回までとされている。これまでは芸能活動を理由に5回の延期が認められてきたのだが、最近の韓国芸能界における兵役逃れが問題視されたことを受けてか、規定を厳格に適用し始めたという意見もあり、本来の延期回数を超えているカイに入隊通知が届いたようだ。そうなると、カイと同じ94年生まれのセフンや、BTSのリーダー・RMなども、急な入隊が決まる可能性がある。

　カイは本人の希望により、11日に場所や時間は公開せず陸軍訓練所に入所。基礎軍事訓練を受けたのち、社会服務要員として21カ月の代替服務に就く。代替服務とは、軍隊で訓練する代わりに、国家機関、地方自治体や公共団体で勤務することで、自宅から通うことが可能。その代わり、通常の現役入隊よりも3カ月ほど期間が長くなる。カイの場合、重度のヘルニアを患っていることと、2018年に父親が亡くなり一家を支える家長であることが社会服務要員となった理由ではないかと推測される。EXOでは、スホとベクヒョンが社会服務要員として服務している。

　イベントの最後には、リーダーのスホからの「突然、入隊することになりファンも残念だし僕も寂しいが、カイにとって良い時間になりますように。無事に、健康であることを願う。君がいないEXOは寂しいと思う」「愛してるよ、ジョンイン（※カイの本名）」というサプライズのビデオメッセージも流れた。

　やり残した悔しい想いも多いはずだが、ファンを前に明るく、幸せな気持ちを届けてくれたカイ。終始笑顔と、カイとファンのお互いを思いやる愛があふれるファンミーティングだった。カイの転役は2025年2月（予定）。セフンの入隊も残っているので、EXO完全体での活動は2025年の下半期以降になると思われる。年上メンバーたちの入隊時期をソロ活動で支え、明るく入隊するカイのためにも、心をひとつに彼を待っていたい。「We are ONE！EXO サランハジャ」の精神で。