櫻井翔、“サクラップ”に刻まれる嵐の歴史 リリシスト/ラッパーとして綴ってきた言葉の強さ
櫻井翔の初の展示会、『櫻井翔 未来への言葉展 SHO SAKURAI:WORDS FOR THE FUTURE』が4月14日から六本木ミュージアムにて開催されている。本展示会では櫻井の様々な活動を通して伝えられる言葉をはじめ、櫻井の人となり、視線の先に感じているもの視覚化したもので、 櫻井の言葉を基に「SHO ROOM」「NO MORE WAR」など7つのインスタレーションが設けられている。
中でも「SHO ROOM」では嵐のラップ詞を書きためたノートなど櫻井の言葉を作ってきた私物の展示。そして「サクラップサウナ」では、櫻井のラップ、通称“サクラップ”をソニー独自の360°立体音響技術「360 Reality Audio」で聴くことができるなど、櫻井が紡いだ歌詞も本展示会を形作る柱のひとつとなっている。
櫻井はこれまでにRAP詩のほかに、共作や櫻井単独でフル作詞も手がけてきた。そこに込められているメッセージにはリアルな心情が込められているのも特徴のひとつだ。
8枚目のアルバム『Dream "A" live』初回限定盤収録の「Hip Pop Boogie」では、〈道がないなら創ればいい〉、〈迎合せずただマイペース〉という言葉が登場するように、メンバーと共に未踏の道を歩んできた軌跡、自分たちが意志を持って進んでいくんだという前のめりな姿勢、揺るがない強い気持ちが伝わってくる。そこへメロディが重なることで、すっと馴染むようにしてリスナーの胸を打つ。耳で聴いて楽しむのはもちろん、冒頭から“嵐”の漢字のなりたちを上手に組み込んだように、リリックを目で追うだけでも楽しめる。〈“音と言葉つむぎ描く芸術”〉の一節は、グループ、個人としてのそれぞれの活動とが重なり、2023年のいま、本展示会が行われることともリンクしている。