SixTONESが「人人人」で曝け出すアーティストとしての胸中 バンドバージョンのパフォーマンスを考察
YouTube限定企画「PLAYLIST」でのパフォーマンス動画は、冒頭から速度あるドラムの音で始まるのだが、それがバタバタと準備に追われるスタッフの足音のよう。ギターや鍵盤からの音が重なり始めると、刻一刻と本番が近づく気配を感じ、ステージ裏に緊張感が走る様を彷彿とさせる。そこへメンバー6人が登場し、後ろ姿、動き方にも個性が出ているのが彼ららしい。
自分のマイクを手に、それぞれのスタイルでスタンバイ。気がつけばさっきまでバラバラと音を鳴らしていたバンドも形となって、メンバーを運ぶようにして進む。ジェシーが「Hey!What's up」と声をかけ、本編へ。ギュッと目を閉じてロングトーンを響かせるジェシー。同じく目を閉じながら、音に合わせて両手をあげる松村。“始まるぞ”と言わんばかりの表情を見せる田中樹。気合十分な様子で笑顔を見せる森本慎太郎。音に耳を傾けてしっかりとリズムをとる髙地優吾に、体を深く動かし、音の世界に入り込んだ様子の京本大我。
ラジオ番組をはじめ様々な番組でもMCポジションを務める田中が6人を先導するように歌い出し、ジェシーが韻を踏む部分をギャグを飛ばすように歌う。続く京本も会話を広げるように様々な声の技巧を凝らすーー。6人が輪になって表情豊かに歌う姿は、楽曲を通して会話をしているようなノリとテンションだ。
前述した松村のライナーノーツに書かれていたように、歌詞に綴られた心情や情景は、その一端を様々な映像で目にしてきたこともあり、これまで彼らが語った言葉と重なった。胸の内を赤裸々に語りながらもマイクを握り、鼓舞するようにしてステージに立つ。この楽曲を通して、人間味にあふれる彼らをさらに愛おしく感じたファンも多いのではないだろうか。「PLAYLIST」では6人で輪をなしているのも象徴的で、このままずっと6人で歌い続けてほしいと願わずにはいられない。
アルバムに収録された原曲を聴いた時も目が覚めるような印象を受けたが、「PLAYLIST」ではバンド演奏でさらに音の厚みが増し、映像が加わったことでより立体的に、より鮮やかに楽曲を楽しむことができた。SixTONESの音楽の世界に引き込まれるのは、歌声や選曲に加えて、表現方法のバリエーションが豊富であるのも理由のひとつだ。
この先、年齢を重ねて彼らの表現に渋みが加わったら……と、これから先6人が奏でていく音楽が楽しみで仕方ない。
※1:https://www.sixtones.jp/koe/self-liner-notes/
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