日向坂46、現体制初の声出し解禁ライブで怒涛の盛り上がり 層の厚みや演出に磨きがかかった横浜スタジアム公演

 日向坂46がデビュー4周年を記念するライブ『4回目のひな誕祭』を4月1、2日に横浜スタジアムで開催した。

 昨年の『3回目のひな誕祭』は念願だった東京ドームで行われ、グループにとっても大きなターニングポイントとなったが、今年は四期生が加わって初めての『ひな誕祭』であると同時に、日向坂46全体としては初の“声出し解禁”ライブ。かつ、冠番組『日向坂で会いましょう』(テレビ東京系)でもたびたび野球企画を実施している彼女たちとあって、横浜スタジアムでの開催は最適と言えるもので、2日間で約7万4000人ものおひさま(日向坂46ファン)が駆けつけるほどの盛況ぶりを見せた。本稿では4月2日公演について記す。

 4月初旬とあって若干の冷たい風があるものの、この日は晴天に恵まれ、まさにグループ名どおりの環境下で開催された『4回目のひな誕祭』。まだ日が落ちる前の18時から始まったライブは、まずはメンバーを乗せたスクールバスがアリーナ外周を一周するところから始まる。そして、バスから降りたメンバーは野球のユニフォームを模したシャツと空色のスカート姿で、「HEY!OHISAMA!」から元気よくパフォーマンスを開始。佐々木久美の煽りに導かれるように、会場のおひさまは「H・I・N・A・T・A・46」コールでテンションを高めていく。さらに、曲中では丹生明里や上村ひなのが「O・H・I・S・A・M・A」コールを客席に求める場面もあり、歓声や声援もたっぷり響き渡ることでオープニングからクライマックス級の盛り上がりを見せた。

 今回のライブのテーマは「空の旅」。飛行機を彷彿とさせるステージセットを前に、キャビンアテンダント風衣装へと早着替えしたメンバーは「ドレミソラシド」「アザトカワイイ」「ソンナコトナイヨ」といった代表曲の数々を連発する。また、「ドレミソラシド」のあとは富田鈴花のオリジナルラップもフィーチャーされ、“声出しOK”の環境下では初パフォーマンスとなる「アザトカワイイ」「ソンナコトナイヨ」に華を添えた。

 MCを挟んで小休止したあとは、期別曲が次々と繰り出されていく。まずは『ひな誕祭』初参加の四期生が「ブルーベリー&ラズベリー」で、会場の熱量を再び高めていく。アリーナ中央のサブステージから5方向に広がる花道に散った四期生は、全力疾走を交えつつフレッシュさが光るパフォーマンスを見せていく。かと思えば、三期生は「ゴーフルと君」で後輩に負けないほどのエネルギッシュさを発揮し、クレーンを使った演出で観る者を魅了。続いて、二期生と三期生の上村が「Dash&Rush」をスタンド席に散って披露し、一期生はタオルを振り回しながら「好きということは…」を元気いっぱいに歌い上げた。日向坂46らしさを大切にしつつ、期ごとに異なるカラーを放つことで多様性を見事に見せていくこの流れに、改めてグループとしての層の厚みが伝わったのではないだろうか。

 続く四期生によるMCパートでは、ライブ直前に怪我をして休演することとなった山下葉留花が杖をつきながらステージに登場。「皆さんに会いたすぎて、ステージに上がってきちゃいました。私“はるはる”は元気モリモリなので、ご心配なくです!」と笑顔で挨拶する山下に向け、客席からは温かな拍手と声援が送られた。その後も初々しいトークで会場がリラックスしたところで、ライブは中盤ブロックへ突入。飛行機を模したフロートに乗ったメンバーが、けやき坂46時代の「ハッピーオーラ」「ひらがなで恋したい」を歌唱しながら会場を回遊する。移動中にはキャノン砲を使ってサインボールを客席に放出するなど、オーディエンスとコミュニケーションを図る場面が随所に用意されていた。

 その後は加藤史帆、佐々木久美、佐々木美玲、高本彩花、小坂菜緒というモデル組による「Footsteps」を皮切りに、ユニット曲が続く。金村美玖、富田、松田好花による「線香花火が消えるまで」、東村芽依、河田陽菜、金村、丹生が歌う「Cage」など懐かしい曲が連発されたあとには、アナウンス室でウグイス嬢を務める久美のアナウンスに導かれるように、スタジアムの大型電光掲示板のてっぺんから富田&松田の“花ちゃんズ”が登場。日向坂46とおひさまの4周年を祝福するように、「Happy Birthday To You」をアコースティックギターの弾き語りで披露し、会場に温かな空気を漂わせた。

 そして、久美の「ただいまより始球式を行います」のアナウンスに続いて、ステージには横浜DeNAベイスターズのユニフォームを着た山口陽世が登場。過去に横浜スタジアムでの始球式経験がある彼女だが、この日キャッチャー役を務めたのは前・横浜DeNAベイスターズ監督のアレックス・ラミレス。まさかのサプライズに会場がどよめく中、山口はワンバウンドしてしまうも無事始球式をやり遂げた。こうした演出をライブに導入できるのも、野球に強いメンバーが豊富な日向坂46ならではと言える。

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