indigo la Endだけが届けられる唯一無二のライブ体験 “別れ”の中から希望を見せたワンマン企画『蒼き花束 vol.3』

 いよいよライブはクライマックスへ。幕間映像を通して、「何度雨に振られようが、運命に見放されようが、音楽だけは続いた。さよならだけの人生で」というindigo la Endの13年間の歴史を思い起こさせる言葉が届けられ、「夜明けの街でサヨナラを」「名もなきハッピーエンド」が立て続けに披露される。渾身のライブアンセムの2連打を受けて、フロアの熱気は何段階も高まっていく。後鳥が観客に手拍子を煽り、そして長田がまだまだ足りないと言わんばかりに両手を上げて大きな手拍子を求めたシーンも印象的だった。ライブだからこその熾烈なコミュニケーションを通して、各メンバーのプレイがどんどん昂っていく展開は圧巻で、indigo la Endのロックバンドとしての気概を改めて見せつけられた。

 川谷が傘を差しながら胸の内の想いを丁寧に歌い上げた「夜の恋は」、そして川谷と長田の激しいカッティングプレイが鋭く冴え渡った「インディゴラブストーリー」を経て、最後のMCパートへ。川谷は、13年間、自分自身のダメさを常に感じながら、そうした後ろ向きな気持ちを音楽に昇華させ続けてきたとこれまでの歩みを振り返り、13年前は想像すらしなかった大きな会場へ自分たちを導いてくれたファンに改めて感謝を伝えた。そして本編ラストの楽曲として、未発表の新曲が初披露される。たっぷりと間を効かせたシックな演奏が心地よく、サビのほとんどをファルセットで歌う川谷の歌声が美しかった。たくさんの花びらが会場を舞う演出と相まって、感動的なフィナーレであった。

 アンコールでは、「やっぱり僕らロックバンドなので、ギターを掻き鳴らして終わりたいと思います」という川谷の言葉を受けて「知らない血」が、そして「僕らは、これからも真摯に音楽を作っていきますので、よろしくお願いします」という力強い宣言と合わせて、「Unpublished manuscript」が披露される。シューゲイザー的な轟音は思わず目眩がするほどの音圧で、ステージ後方から照らされる白いライトと相まって、まるで白昼夢を見ているかのような美しい時間であった。

 最後の映像で、ライブ冒頭の「さよならだけが、人生だ」というナレーションに重ねる形で、「出逢いだけが、人生だ」という言葉が朗読され、今回のライブは幕を閉じた。いくつもの"別れ"の楽曲が届けられたライブではあったけれど、最後にはポジティブな気持ちが込み上げてくるから不思議だ。まさにこれこそ、indigo la Endだけが届けられる唯一無二のライブ体験であると、今回の公演を観て改めて強く感じた。

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