BMSGは“事務所推し”される存在に？　ジャニーズ、WACK、ハロプロとの共通点を考える

 　それに続くように「事務所推し」のファンが増える予感がするのがBMSGだ。SKY-HIが代表を務め「才能を殺さないために。」をスローガンに掲げている事務所である。自身の活動で獲得した知名度を生かし、まだ世間に知られていない才能をフックアップしている。例えばNovel Coreを所属アーティストとして招いたり、オーディション企画『THE FIRST』を立ち上げ、BE:FIRSTが結成されたりと若手アーティストのプロデュースを積極的に行っている。なかでもBE:FIRSTはデビューから約1年で『第73回NHK紅白歌合戦』（NHK総合）への出場を果たすほどの人気を獲得した。それはメンバーの魅力だけでなく、SKY-HIが彼らの音楽に大きく関わっていることも理由ではないだろうか。BE:FIRSTの作品はSKY-HI自身が作詞や作曲を手がけているだけでなく、彼と共同で作品を作った経験があるChaki Zulu、BMSG所属のNovel Coreらが参加している。BE:FIRSTの楽曲にはSKY-HIやBMSGの音楽のエッセンスがデビュー時から入っているのだ。BMSG所属アーティストを1組好きになれば、自然と他の所属アーティストにも興味を持つ仕組みになっている。さらにはBMSGによる音楽フェス『BMSG FES’22』が開催されたりと、事務所全体の魅力を伝える取り組みも。2023年は新たにMAZZELのデビューも決まっている。きっとこれからも、さらに多くの隠れた才能を発掘し伝えていくのだろう。SKY‐HIによる大型プロジェクト『D.U.N.K. ‐DANCE UNIVERSE NEVER KILLED‐』も発表されたばかりだ。

　他の“事務所推し”が多い事務所と同じように、代表のSKY-HIの存在や音楽が所属アーティストに影響を与え、その影響を受けた全アーティストが素晴らしい才能を発揮している。それに“事務所推し”を増やすために一番必要なことは、所属アーティストが全員魅力的であることだ。それをBMSGは現時点で満たしているように感じる。もしかしたら「次に事務所推しのファンが増える事務所」というよりも、「すでに事務所推しがのファンたくさんいる事務所」がBMSGの現在地だと言っても過言ではないかもしれない。

※1：https://dot.asahi.com/aera/2019090400065.html?page=2