BUMP OF CHICKEN、ライブハウスで出会えた／再会できた歓びを共有　3年ぶり全国ツアーZepp Hanedaセミファイナルを観て

　アンコール1曲目では、この季節にぴったりの「Merry Christmas」が披露される。アウトロでは、藤原が観客に「PIXMOB」を着けた腕を上げるように促し、その直後に「PIXMOB」が点灯してフロアが赤色と緑色に染まる粋な演出も。その景色を見た藤原が思わず「すげえ綺麗」と漏らしていたことも忘れられない。続けて、アンコール2曲目の「バトルクライ」へ。初期のナンバーではあるが、この曲が始まった瞬間のフロアの熱狂から、いかに同曲がたくさんの観客に待望されていたかが伝わってきた。そして、そうした一人ひとりの人生における大切な楽曲を、こうしてメンバー4人と、また、彼らの音楽を愛するたくさんのリスナーと一緒に共有できるライブという時間・空間の尊さ、美しさを、改めて深く噛み締めた。

　最後に一人ステージに残った藤原は、コロナ禍における数々のルールを守ることで、こうして自分たちが帰ってくる場所を大切に守り続けてきた観客に改めて感謝を伝えた。また、この日のライブについて、「本当に、すごく嬉しい、奇跡のような時間でした」と振り返った上で、「新しい曲もできています。いつか何かの形で、みんなのもとに届くんじゃねえかって思ってます」「その時は、君の人生の貴重な数分間を、俺たちの曲に分けてほしい。よろしくお願いします」と語った。そして、フロアから巻き起こる大きな拍手を受けながら、ダブルアンコールとしてアカペラで「スノースマイル」を歌い始める。増川、直井、升も再びステージインして、藤原の歌に追う形でバンドサウンドが合流、そして、観客の「PIXMOB」が白く光り、フロア一面に真っさらな雪景色が広がっていく。4人と私たち全員で作り上げたあの美しい景色を、いつまでも忘れたくはない。

　今回のツアーを終えた後、4人は、来年2月から再び新たなツアーに旅立つ。精力的なライブ活動はまだまだ続いていく予定で、また、まだ正式なアナウンスはないが、藤原の言葉が示唆していたように、来年も新しい楽曲が続々とリリースされることが予想できる。4人の来年以降の活動への期待がますます膨らむような、素晴らしい夜だった。

■セットリスト
1.アカシア
2.グロリアスレボリューション
3.天体観測
4.なないろ
5.宝石になった日
6.Small world
7.(please) forgive
8.クロノスタシス
9.ハルジオン
10.SOUVENIR
11.話がしたいよ
12.カルマ
13.Aurora
14.ray

En
1.Merry Christmas
2.バトルクライ
3.スノースマイル