二宮和也のラジオ20周年で感じる時間の重み 活動休止後も一貫した嵐への愛情
“らしさ”といえば、そんなおふざけ発言が繰り広げられるなかで「人生で20年続いたものってないですよね。俺、嵐ぐらいだもん」とグッとくるような言葉が聞けるところもそうだ。例えば6月12日放送回では、番組のタイムテーブルや公式ロゴなどのDJ表記が、嵐の活動休止後も「DJ:嵐(二宮和也)」と表記され続けている理由について言及する一幕があった。
「俺らは嵐ってグループが知られていれば、誰がしゃべってようとあんまり関係ないんですよ。“嵐の子がやってる番組なんだな”っていう認識があればそれでよくて。一人ひとりの名前を覚えてもらえるような時代じゃなかったじゃないですか。最初やらせてもらったころって。自分の名前が先に出てくるってあまりなかったんだよな。必要なかったんだろうな」と、嵐があってこそ二宮和也がいるというスタンスが垣間見える瞬間だった。
また、6月19日放送回では今年の誕生日(6月17日)にリリースしたカバーアルバム『○○と二宮と』を嵐のファンクラブ限定販売にした真相も語った。「嵐のファンクラブって存在してるじゃないですか、今も。せっかく入ってるのに……。自分が会員だったら何が嬉しいだろうなって思って」と、この番組でも度々披露されてきたカバー曲をアルバムとしてまとめ、ファンクラブ会員のみが買えるようにしたのだという。そして、本作用に撮影された撮り下ろしの写真についても「嬉しがってほしいじゃないですか」と笑う。周りの人に喜んでもらいたい、その気持ちが二宮の“今”の人生観なのだと語った回もあった。「対人が主体の人生で生きながらえているので、自分が主役の人生はとっくのとうに終わっていて…この人生は人様に楽しんでもらうものになっている。それを自分のエンタメ、クリエイティビティにつなげていくかっていう話。そうすると主役っぽくなるじゃないですか。それで十分」と。
エンターテイナーとして達観した言葉に、思わず板橋ディレクターが「カッコいい」とつぶやくと、照れ隠しのように「全部エコーかけて(強調して)おいて!」と、すぐさま悪ふざけモードに切り替わるのも、この番組ならではの“らしさ”。今回「20年続いたのは嵐くらい」発言の後も、このまま嵐が活動休止したまま番組が続くと、むしろ嵐を超えてしまうという危機感から「それはダメだから、そのまえにちょっと畳もう!」と言い放って笑いを誘うのだ。
嵐というグループへの愛情、そして嵐・二宮和也としての想いを飾らぬ言葉で聞くことができる『BAY STORM』。この番組と共に、また嵐の歩みが並行して何十年と続くことを願っている。
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