SARUKANI『猿蟹大百科』ソロインタビュー先行公開第3弾 RUSYの運命を変えたループステーションに対する直感

 日本を代表するビートボクサー・SO-SOを中心に、RUSY・KAJI・Koheyの4人で構成されたヒューマンビートボックスクルー・SARUKANI初のオフィシャルブック『猿蟹大百科』が9月15日に発売される。

 リアルサウンドでは発売に向けて、本書の中に収められたメンバーの撮り下ろしソロカット&インタビューの一部を先行公開していく。本日公開するのはRUSY。SO-SOと組んだSORRYがタッグチームループ部門にて世界チャンピオンに輝くなど、ループステーションを用いたパフォーマンスでも注目を集める彼のビートボックスとの出会い、転機を語るパートを一部紹介する。(編集部)

RUSYソロインタビューの一部を先行公開

RUSY(写真=下屋敷和文)

──ビートボックスとの出会いから教えてください。 

RUSY:小学校の時からMEGWIN TVさんのYouTubeを拝見していて、そのオープニング音源がHIKAKINさんのビートボックスだと知ったのが最初の出会いです。中学校2年生くらいまではただのビートボックスファンとして追いかけていて、HIKAKINさんが動画でビートボックスの全国大会『Japan Beatbox Championship 2013』のDVDを紹介していたのを見たときに、ビートボックスのさらにコアな世界を知ることができてものすごく感動しました。そこからいろいろな動画を掘り始めて、その中で観たHIKAKINさんがエアロスミスのライブに出た映像はかっこよくて憧れました。

 大きく人生が変わったのが2015年『Beatbox Battle World Championship(BBBWC)』に出場していたNaPoMというビートボクサーの予選動画を見た時。父が音楽を聴く人だったのでいい音のスピーカーが家にあったのですが、それで聴いたときに低音がものすごく効いていて、本当に衝撃を受けました。こんな低音を出せるようになりたいと思ったのが自分でも始めるようになったきっかけです。NaPoMのビートボックスはシンプルに人の身体を揺らせる、心を揺らせるものだと思いました。ビートボックスを音楽的だと感じたきっかけでもありましたね。

 そこから僕が最初の大会に出たのは2016年6月。初めてアジア大会が開催されることを知って出場を目指していましたが、年齢制限があり出られず。SNSで大会の情報などが共有されていたので地元の愛知県から近い大会を探して三重県鈴鹿市で行われた『Breath out Vol.2』に出場しました。僕はその頃、有名なビートボクサーのコピーをした動画をアップしていて「コピー機」というあだ名でちょっとバズってたんです。その影響もあり早く大会で結果を残したくて。もちろん何の経験もないし予選には落ちてしまったんですけど、学ぶことは多かったです。

 その次に出たのが2017年1月の『Boost』という初心者と上級者向けの大会。当時まだ中学生だったので母にお願いして神奈川県大会にエントリーしてもらいました。初心者部門には出たくないという変なプライドもあり経験者部門に勇気を出してエントリーしたんですけど力及ばずでしたね。動画で見ていた有名な方々がたくさんいて、ビクビクしながら出たことを覚えています。

──その後ブレイクスルーとなったきっかけの出来事はありますか?

RUSY:軌道に乗り始めたきっかけの一つが、その1カ月後、2月に名古屋で開催された『Ω-ANTHEM』というイベントです。初めて『Grand Beatbox Battle 2018』で日本人でソロのトップ4に輝いたBATACOさんがジャッジで参加されていて、最高評価をいただけたんです。ギリギリ予選落ちではあったのですが、ちょっとした話題にはなりました。僕の一番有名なソロのネタを初披露した現場でもあります。この経験は自分にとってすごく自信になりました。でもまだ結果は残せていなくて、その年はとにかくいろんな大会に出まくりました。

 そこから大きく変わり始めたのがやはりループステーションとの出会いですね。2017年後半、SNSで同年代のビートボクサーを募っていた時にKoheyとSO-SOさんに出会いました。SO-SOさんのお家にお邪魔させていただく機会があって、そこでループステーションをさわらせていただいて「なんじゃこりゃ!めっちゃおもしろいやん!」と。そのまま6時間ぐらい使うほど夢中になって「これだ」と直感が働きましたね。高校1年生だったのでアルバイトを始めてお金を貯めて。Nintendo Switchも欲しかったんですけど、ループステーションと天秤にかけてループステーションを買いました(笑)。で、 2018年頭から始めて3カ月後ぐらいにアジア大会のループステーション部門のワイルドカードにエントリーしたら予選を通過、2018年6月の本選でアジア3位になりました。当時Koheyも予選を通過していたので一緒に行きました。

 その少し前の2018年1月に『Boost』兵庫大会で初めてソロで優勝したのも転機ですね。心機一転でRUSYに名前を変えて出たら優勝してしまって。そこからはRUSYで行くしかないとなりました。僕はそんなに目立つ音とか特殊音を使うわけではないのですが、自分のセンスだけは信じてがんばってきました。構成力や発想力といったところで戦ってきた自負はあります。目立った技術的な急成長というよりは、音楽をたくさん聴いたりして感性を磨いてきた感じです。

この続きはSARUKANIオフィシャルブック『猿蟹大百科』にて。
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■商品情報
SARUKANIオフィシャルブック『猿蟹大百科』
サイズ:160 × 220mm
96ページ
価格:3300円(税込)
発売日:9月15日(木)
ISBN 978-4-909852-34-2
C0076

<書籍内容>
・SPECIAL PHOTO、GBB PHOTO、LIVE PHOTO
・メンバーソロインタビュー(SO-SO、RUSY、KAJI、Kohey)
・関係者が語るSARUKANI(Gene Shinozaki、Rofu、Ryosuke“Dr.R”Sakai)
・WE LOVE SARUKANI:著名人が語るSARUKANIの魅力
(香里奈、蔦谷好位置、三吉彩花、鈴木おさむ、遠藤章造(ココリコ)、ランジャタイ、田中洸希(SUPER★DRAGON)、AFRA、Daichi、OdAkEi、ずま(虹色侍)、おしら(しらスタ)、TATSUAKI)
・RUSYによるループステーション解説
・SARUKANI Fun Facts(メンバー4人が語り合う楽曲制作の裏側、年表、用語集)
など

■SARUKANI プロフィール
日本を代表するビートボクサー・SO-SOを中心に、RUSY・KAJI・Koheyの4人で構成された、口から出る音だけで楽曲を制作するビートボックスクルー。ポーランドで行われたビートボックスの世界大会『Grand Beatbox Battle 2021』ではSO-SO&RUSYによるSORRYがタッグループ部門で日本人初の世界チャンピオン、SARUKANIがクルー部門で世界2位を獲得。その他ネット発キャラクター・ブルーハムハムとのオフィシャルコラボレーションや日テレ系『スッキリ』などに出演。キャッチーでありながらも斬新で力強い彼らの楽曲は世界各国でファンを獲得している。

<SNS>
Twitter:https://twitter.com/SarukaniBeatbox
Instagram:https://www.instagram.com/sarukanibeatbox/
YouTube:https://www.youtube.com/SARUKANI
TikTok:https://www.tiktok.com/@sarukanibeatbox
LINE:SARUKANI – おさるクラブ https://line.me/R/ti/p/%40304nerns

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