BTSからBE:FIRST、なにわ男子まで…ボーイズグループの主流は7人組に? パフォーマンスにおけるメリットと背景を探る
さらにダンスだけでなく楽曲の観点でも、7人という人数は、1人ひとりの個性をグループの力に最大限活用しやすいと言える。楽曲でメンバー1人ひとりが存在感をアピールするため、サビまでに1人ずつ歌パートを設けることがよくある。このとき、Aメロ・Bメロの長さを考えると、7人が限界となる。例えば9人だと、全員が1人ずつサビ前までに歌うことが難しく、1人あたりのパートをかなり短くするか、ペアで歌う部分を作るか、一部のソロパートを2番に回すしかない。こうした点を考えると、楽曲の中で1人ずつをしっかりアピールするには、7人が絶妙なのだ。
例えば、7人それぞれの歌声に魅力があり、それをグループの魅力として全面に押し出しているジャニーズWEST。2022年8月に発売された最新シングル曲「星の雨」のように、サビまでに7人が必ず1回は歌うシーンを作ることもできる。また、2022年3月発売のアルバム『Mixed Juice』の収録曲「しらんけど」のように、濵田崇裕以外の6人がサビ前に1人ずつ歌い、濵田をあえて出さないことで、中盤以降オチ的に使われる濵田を印象づけることも、7人という人数がいるからこそ、ある程度余裕を持って演出しやすくなる。
以前であれば、ボーイズグループは5人が最適、と言われていたこともあったように思う。しかし、1人ひとりにかかる負担を軽減しながらも多彩な演出を支え、かつメンバーの個性をしっかり生かせるという意味では、現時点では7人がボーイズグループにおける標準的な人数構成であると言える。複雑なフォーメーションやシンクロダンスといったパフォーマンスにおけるトレンドが続く限り、しばらくは7人組がボーイズグループの主流になりそうだ。