浅沼晋太郎、『CROSS A LINE』で越えていく今までのヒプノシスマイク　MAD TRIGGER CREWの変化も語る

　人気声優が名を連ねる、音楽原作キャラクターラッププロジェクト、ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-の2ndアルバム『CROSS A LINE』がリリース。2017年にスタートした同コンテンツは、第1弾MV「ヒプノシスマイク -Division Rap Battle-」がYouTube急上昇ランキングにランクインし、2018年に配信／発売された『Fling Posse VS 麻天狼』や『MAD TRIGGER CREW VS 麻天狼』がオリコン週間チャート1位を獲得、さらに2019年には「ネット流行語大賞100」のベストテンにランクイン。大阪城ホールやぴあアリーナMMなどの大規模会場でのライブも成功させる。当初は4ディビジョンだったチームも現在は6ディビジョンに増え、さらなる広がりを感じさせるヒプノシスマイクが、目指す先にあるものとは。ヨコハマ・ディビジョン“MAD TRIGGER CREW”のリーダーである、碧棺左馬刻（あおひつぎ さまとき）を演じる浅沼晋太郎が、最新アルバム『CROSS A LINE』の魅力、この5年でのヒプノシスマイクの変化、そしてその先に見据えるものを語った。（榑林史章）

ちょっとした“もの悲しさ”を感じさせることができるのはヨコハマの専売特許

――2ndアルバム『CROSS A LINE』がリリースされましたが、今作についてはどんな印象ですか？

浅沼晋太郎（以下、浅沼）：ナゴヤとオオサカが入って初めてのアルバムなので、今までよりもぐっとバラエティに富んだ作品になったんじゃないかと思います。『CROSS A LINE』というタイトルは、「何かを越えていく」という意味があるので、今までのヒプノシスマイクをはるかに越えた作品になったんじゃないかと感じています。

――表題曲の「CROSS A LINE」は18人全員で歌っています。

浅沼：「SUMMIT OF DIVISIONS」もそうでしたけど、少しハッピーなチューンですよね。2nd Division Rap Battleを経て、6チーム6つの矢印が中王区に向かって一つに集まっていく雰囲気と、気持ちを新たに「ここからまたスタートだぜ」という勢いがうまく表現されると感じました。

――MAD TRIGGER CREWの新曲「Scarface」も収録されていますが、どのような印象でしょうか？

浅沼：ここ最近はずっとバチバチな曲が多かったので、「Yokohama Walker」ぶりくらいの、大人なセクシーさを嗅ぐわせるトラックだと思いました。でもリリックが相変わらず物騒なので、そこはヨコハマらしいなと思いました（笑）。

――哀愁があって、そこが格好いいですよね。

浅沼：そうですね。セクシーな楽曲というと、ヨコハマ以外のディビジョンにもありますけど、こういうちょっとした“もの哀しさ”を感じさせることができるのは、今のところヨコハマの専売特許じゃないかと思っています。潮風とか夜景とか、そういう風景が似合いそうですよね。

――歌詞で好きなワードはありましたか？　

浅沼：どこも好きですけど、〈香水はいらね 海が my scent〉は、左馬刻の香水がグッズとして出てるのに、香水いらないって言っちゃうの？　って。本当はセクシーな香水をつけているくせして、「こんなモン本当はいらねんだ」って歌っちゃう左馬刻が好きです（笑）。

――潮の香りが、香水の代わりみたいな。

浅沼：おそらくそういうことかなと。あるいは、相手に「香水なんてつけなくていい」って言っているのかとか、いろいろ想像できるリリックだなと思いました。他には、〈Say hello to my little friend〉と、イタリアンマフィアのような言い方をしている入間銃兎（CV：駒田航）が好きですね。あと、毒島メイソン理鶯（CV：神尾晋一郎）のパートで、相当苦労しただろうなと思うところがあって。〈MTC 開展／全てかけ／痛みを逆用する we are the scarface〉の部分は、いつもの理鶯ではない歌い方というか、節回しというか、ガイドが入った仮歌の時から「ここのパート、本当に理鶯？」って思わされた部分でして。神尾さんもきっと、理鶯はこういう歌い方をするのだろうか、できるのだろうかとかなり悩まれたんじゃないかと。だから、できあがったものを聴いた時は、「おお～！　すごい！」って思いましたね。