水嶋凜、RIO、HIMIら次世代の二世アーティストの共通点は? CDセールス全盛時代の親から受け継いだもの

 相川七瀬は、1995年に織田哲郎プロデュースによる「夢見る少女じゃいられない」で<エイベックス>からデビューし、ロックシンガーとして90年代後半に一世を風靡。昨年デビュー25周年ライブを行い、現在も精力的にアーティスト活動をしているほか、タレントとしてもマルチに活躍の場を広げている。そんな相川が7月23日に出演した音楽フェス『LuckyFM Green Festival』で、14歳の次男RIOがドラマーデビュー。4歳からドラムに励み、2020年9月に更新された相川のInstagramに、演奏中の姿や初めてのドラム演奏の動画などが公開され以前から話題となっていた。相川のライブには織田哲郎やマーティ・フリードマンが参加しており、そうした環境の中でRIOが今後どのように育っていくのかは注目だ。

 1999年東京生まれのシンガーソングライター・HIMIは、浅野忠信とCharaの間に生まれた長男で、俳優・モデルとして活躍する佐藤緋美のアーティスト名義。昨年、竹中直人、山田孝之、斎藤工の3人が監督を務めた映画『ゾッキ』の主題歌「私を離さないで」にてChara feat. HIMIとして親子でのデュエットが実現し話題となった。PERIMETRONのプロデューサー 西岡将太郎と自主レーベル<ASILIS>を立ち上げ、2020年頃から精力的に音楽活動を行なっている。全ての作詞作曲を自身で行い、2020年には「STEM」、2021年には「What if」をリリース。両曲とも裏声に近い高い歌声を聴かせ、オルタナティブR&Bと言うべきか、ジム・オルークの「Eureka」の世界のようでもある。『Violet Blue』(1993年)などの初期のChara楽曲が好きだというHIMIなだけに、両親の血を見事に引き継いだ、若くして芸術性に秀でた音楽を制作。Charaの影響をひしひしと感じるチル系のサウンドは心地よく、「私を離さないで」ではアコースティックギターに乗せ、フィーリングぴったりの心地良い親子デュエットを聴かせている。

 新世代の二世アーティストは、80〜90年代の音楽市場が豊かだった時代に活躍したアーティストを親に持つ世代だ。親の影響からか音楽の楽しさを生まれ持って知っているような、同世代の中で一つ突き抜けた才能や音楽愛を持つ実力派が多い。そういった潜在的なセンス、生まれ持った注目度をもってしても、実力がなければ生き残れないのが音楽の世界。宇多田ヒカルをはじめ、ONE OK ROCKのTakaや森山直太朗など、確固たる地位を築くアーティストへと成長を遂げることができるのか。

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