雨宮天、ライブパフォーマンスから溢れ出るスター性 3年ぶりワンマンツアー最終公演で涙ながらに語った気持ち
晴れやかな笑顔でステージの端から端まで移動し、観客に手を振り続け、その前向きなメッセージを歌いかけた「Song for」、ガラリと表情を変え役者ならではの表現力で魅せた「Absolute Blue」、観客を激しく鼓舞するような「Eternal」と疾走感ある楽曲が続く。
さらに日替わり曲の「Silent Sword」では、客席からも隠し切れない興奮のどよめきと手拍子が。突き抜けたハイトーンと、完成度の高いパフォーマンスで圧倒した。続く「Skyreach」はシンプルかつパワフルに歌い上げられ、その美声に客席からは一際大きな手拍子が起きる。会場が一つになったところで、本編最後の「Next Dimension」へ。一体となった客席と共に歩んでいくことを決意するかのように、本編を締め括った。
本編終了後すぐにアンコールが起こり、鳴り止まない拍手の中、ライブTシャツとアシンメトリーの黒いボトムスに衣装チェンジして登場。客席の隅々にまで手を振り指を差しながら、「君を通して」を優しく歌う。
ハプニング込みのMCを終え、「みんながくれた大切な想いを私からお返しするような気持ちで、一人ひとりに向けて歌いたいと思います」という言葉で始まったのは、珠玉のバラード「誓い」。その言葉どおり一人ひとりに手を差し伸べるように、温かさを携えながらも壮大に歌い切った。
ラストナンバーは「This Hope」。「全部振り絞って歌うので受け取ってください」と語った通り、魂のこもった情熱的なボーカルを響かせた。
曲の最後には、「これまで挑戦だらけで、『自分はどうしてできないんだろう』とか自分に対して絶望することもあったんですけど、でもなんだかんだ進んでこられて、そばにはいつもみんながいてくれて、みんなが光で照らしてくれてて『大丈夫だよ』って伝えてくれてて。だから怖くても、もうダメかって思っても、これからも私は自分自身が希望だと証明するために、みんなの力を借りてみんなに光を照らしてもらって、これからも挑んでいきます。ありがとうございました!」と涙しながら語り、その強いメッセージに応えるように客席からは大きな拍手が起こった。
奏でられる音楽、放たれるメッセージ、すべてに胸が熱くなるライブであった。会場にいる全員と目を合わせるかのように、熱心に客席を見つめていたのも印象的だ。
楽曲に合わせて表情を変える声優ならではの表現力、MCで見せるチャーミングな表情、アーティストとして一貫したスタイルや嗜好を貫くことができる実力。そのスター性とタフなステージングは唯一無二のものだ。“BEST LIVE”の名のとおり、雨宮天の魅力を余す所なく堪能できるステージだった。