日向坂46、なぜ今オーディション開催? 東京ドーム公演以降を見据えたグループの現在地

 今回のオーディションで何名加入するのかは分からないが、日向坂46はグループ結成から“全員選抜”というスローガンを掲げている。現在の22名体制はグループ結成から一番の大所帯であり、これ以上人数を増やすと“選抜制”になるのではないか、一期生の卒業が近いのではないかと不安になるファンの声も理解できる。

 しかし、一方で多くのメンバーがソロ仕事で才能を開花している現状もある。潮紗理菜が5月14日から舞台『フラガール -dance for smile-』の主演を務めることが決まっているが、以前も小坂が映画の撮影でライブに出られないことがあった。それぞれソロ活動が忙しくなっているメンバーにとって、舞台や映画、ドラマなど、グループ活動との両立が難しくなる機会も増えつつある今、そしてメンバーの学業やメンタルケアなどの休養面においても、メンバーの層を厚くするのはグループの未来を考える上で重要だ。加えて絶頂期にいる今の日向坂46において、先輩から日向坂46のDNAを後輩が学ぶという意味でも、このタイミングでの加入は最適と言えるのではないだろうか。

日向坂46 新メンバーオーディション 小坂菜緒編
日向坂46 新メンバーオーディション 齊藤京子編

 復帰発表後、初めて公の場に登場した小坂のCMでは、オーディション当時の映像と共に、「私はここにいたいんだろうなって思って、それが最後の一歩になりました」とオーディション当時ギリギリまで迷っていたことを笑顔で語り、今回のキャッチコピーの「迷おう。それが始まりだから。」の文字が出る。今の小坂の状況を考えると感慨深いものがある。そして齊藤は、声の低さゆえに自身がアイドルではないと思っていたことを吐露しながらも、合格したことを機にアイドルとしての実感が湧き、そこから夢のような日々を過ごしていると振り返る。

日向坂46 新メンバーオーディション 加藤史帆編

 また、オンエア当日は加藤のCMが特に話題となっていた。3月14日の『日向坂で会いましょう』は、メンバーが男装し妄想告白を朗読する「遅れてきたバレンタイン!妄想キュンキュン朗読会」を放送。そこで、『新世紀エヴァンゲリオン』好きの加藤らしき人物が、“カトシンジ”というキャラで「逃げちゃダメだ」と主人公・碇シンジのモノマネをした後、ソニー損保のCMでアイドルらしく可愛らしい姿がオンエア、それに続く形で加藤のオーディションCMが流れる。加藤は「アイドルになれて良かったです。本当に良かったです」としみじみと噛み締め、「日向坂はまだまだこれからのグループだと思うんですよ、まだまだまだ目標がたくさんあって、これからも青春を謳歌していきたいと思います」と語る。この日の一連の加藤の姿は、アイドルとは何か、日向坂46とは何かということを表しており、今応募を悩んでいる人に一つの道を示したのではないかと思っている。

 応募締め切りは4月4日、新メンバー合格発表は8月を予定。これまでもオーディションを経て、常にパワーアップした姿を見せてくれた日向坂46。今回はどんなドラマが生まれるのか。日向坂46への愛に溢れ、仲間とともに高く飛べるメンバーの加入に期待したい。

※1:https://www.hinatazaka46.com/s/official/diary/member/list?ima=0000&ct=9

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