豆柴の大群、ライブ三昧だった2021年 AKB48グループや芸人ら多彩なコラボが育んだグループの成長
豆柴の大群が12月25日に結成2周年を迎えた。豆柴の大群のYouTube公式チャンネルでは、同日にアドバイザーであるクロちゃん(安田大サーカス)も過去挑戦したドミノに今度は豆柴が挑戦するオンラインイベント「フルスイング de ドミノ」を開催。さらに、3週にわたってクロちゃんへのドッキリ企画が公開されるなど、様々なコンテンツが展開中だ。豆柴への取材を続けてきたリアルサウンドでは結成2周年を記念して、グループにとって2021年はどのような年だったのかーー「ライブ」「ディスコグラフィ」の2つの軸を中心にこの1年の邁進を振り返っていきたい。
まずはライブから。デビュー当初にコロナ禍で満足のいくスタートを切ることができなかった豆柴は、昨年10月に昭和女子大学人見記念講堂にて念願の初ワンマンライブ『豆柴の大群のりりスタート』を開催。そんなマイナスからのスタートによる反動と言わんばかりに2021年はひたすらライブをやり続けてきた。その数はツアー3本に、特別公演が1本。さらにその間にはタワーレコードを中心としたリリースイベントが幾度もあり、アイドルフェス『TOKYO IDOL FESTIVAL 2021』への出演、『AGESTOCK2021』をはじめとするイベントへの登場、WACK所属アーティストが参加するイベントツアー『TO BE CONTiNUED WACK TOUR』もあった。
WACKならこれくらい……といった考えも脳裏をよぎるが、そこまで豆柴がライブにこだわってきたのは、とにかくライブの場数を踏むためだ。初ワンマンで浮かび上がった課題は、体力面とMC力。『豆柴の大群のりりスタート』から実に1カ月という短いスパンで開催されたのが『実力をしっかりとつけるツアー』だった。ツアーファイナルに置かれた1月10日の渋谷duo MUSIC EXCHANGEまで、全国6都市を約1カ月半で巡るツアー。1日3公演の計18公演というなかなかに過酷な内容だ。
筆者は一旦のツアーファイナルとなった渋谷公演を観ているが、彼女たちの自信に満ちた表情から全国を巡ってきたその成果がありありと伝わってきた。具体的なエピソードでは、このツアーで「豆柴の大群-お送りするのは人生劇場-」の3連発に初挑戦。自分の言葉でしっかりと思いを伝えようとする姿勢は確かな一歩である。
そして、このツアーに付随しているのが今年1月にリリースされたメジャー1stアルバム『まめジャー!』だ。今年豆柴がリリースしたのは、アルバム1枚、ミニアルバム1枚、シングル1枚、配信シングル1曲、さらにはコラボシングル『柏木由紀なりの豆柴の大群-ずっと気になるズッキーニ-』もあるという大充実っぷり。その作品の多くがツアーで初披露されるという、言わばニコイチのような関係性にあった。各地での初披露に合わせて配信も解禁していった『まめジャー!』は、その要素が強い作品だった。全12曲のうち、半分の作詞をメンバーが手がけた本作は、デジタルハードコアの「MOTiON」、初のラップ曲である「I need you」など、多彩なジャンルのサウンドにより、ライブにもさらなる幅をもたらすことに成功している。
5月からは2度目の全国ツアー『豆柴大作戦 ~掴み取れ豆粒の大群~』を開催。3カ月で全国9都市17公演を巡る、これまた過酷な修行と言って過言ではない内容で、ツアーラストはZepp Tokyoだ。そのタイトルが示す通りに、今回のツアーの目的はメンバーが自ら全国の豆粒(ファンの総称)を掴み取りに行くことにあった。筆者がツアーファイナルの公演で感じたのは、豆柴と豆粒との一体感。カエデフェニックスが涙ながらに伝えた「あなたの人生と一緒に歩いていきたいと思います」というMCでの一言は、ツアーを経て強固になった豆粒との絆を物語っていた。
このZepp Tokyo公演では、ファーストサマーウイカをゲストに迎えた配信シングル「らぶ地球」、さらに1stミニアルバム『WOW!!シーズン』からの楽曲が多数披露されている。中でも特筆すべきは、豆柴の新境地とも言える「PUT YOUR HAND UP」。カエデの第2の人格“カエデーモン”を降臨させたデスボイスは、ライブにおける大きな武器となった。運動会のBGMとしてお馴染みのクラシック音楽「天国と地獄」のメロディを大胆にサンプリングした「走れ豆柴」、アゲアゲなユーロビートでブチ上がる「まめサマー!?」と、音楽ジャンルはさらに色とりどりに。ディスコファンクの「らぶ地球」は、後の公演のセットリストにも組み込まれるライブチューンとして成長していくこととなる。