櫻坂46、海外にも熱狂的なBuddiesが 国境を越えて伝わる楽曲の強さとパフォーマンス
アメリカ・ニューヨークのタイムズスクエアにある広告ディスプレイにて、櫻坂46の映像が流れたことが話題になっている。映像は現地時間の12月9日に2度、合計20時間ほど流されたという。これは櫻坂46のデビュー1周年を記念して海外のファンが有志で資金を集めて実現されたもので、映像に使われたMVや写真などの公式のコンテンツはSeed & Flower合同会社の許可を得て使用されており、運営公認のプロジェクトとしても注目を集めていた。
企画者によって投稿された定点カメラの映像を観ると、足を止めてスクリーンを眺める通行人もいたことが確認でき、この日のニューヨークに一定のインパクトを残したことがうかがえる。キャプテンの菅井友香はこれを受け、「スタッフさんから教えて頂き、愛のこもった素敵な映像を見てびっくりしました!! 皆さまへの感謝の気持ちでいっぱいです 本当にどうもありがとうございました!!」とブログで感謝を綴っていた(※1)。
櫻坂46は先日、ヨーロッパ最大級の音楽アワード『2021 MTV EMA』にてベスト・ローカル・アクト賞の日本部門「BEST JAPAN ACT」を受賞するなど、このところ国外の話題が続いている。これまで海外公演の経験もなく、歌詞もほとんど日本語で歌っている彼女たちが、なぜ海の外からも支持されるのだろうか。
国境を越えて伝わる楽曲の強さとパフォーマンスの熱量
櫻坂46はもともと、改名前の欅坂46時代から海外人気を集めていた。以前タイの国民的シンガーソングライターSTAMPが来日した際に、インタビューで元メンバーの平手友梨奈のファンを公言し、さらに欅坂46のTシャツを購入していたことを明かしていたり(※2)、昨年の8月には香港の民主活動家である周庭(英語名アグネス・チョウ)氏が、報道陣の取材に「拘束されている時に、ずっと『不協和音』の歌詞が頭の中で浮かんでいた」と発言し話題になったこともあった(※3)。こうした影響力のある人物にもファンやリスナーがいることが彼女たちの海外人気の大きさを物語っている。
欅坂46時代の楽曲はメッセージ性が特に強い。〈この世界は群れていても始まらない Yesでいいのか?〉(「サイレントマジョリティー」)や、〈不協和音を 僕は恐れたりしない 嫌われたって 僕には僕の正義があるんだ〉(「不協和音」)といったフレーズは、アイドルソングのみならず、J-POPシーン全体を見渡しても類を見ない力強さだ。こうした歌詞は、たとえ海外の言語に翻訳されたとしても、その強さが保たれたまま届く。言葉の壁はあれど伝わるメッセージは万国共通であり、響く人にはしっかりと響くのだろう。