ラジオDJ宮治淳一氏に聞く、欧米圏の特殊なクリスマスソングのヒット事情
では、多くのアーティストがカバーをする定番クリスマスソングには、いわゆる「元ネタ」やオマージュとしての引用はあるのだろうか。
「ポップスとして流行したクリスマスソングを「元ネタ」のように引用するといったケースは、ないのではないかと個人的には思います。あるとすれば、「ジングルベル」や「赤鼻のトナカイ」「きよしこの夜」といった世界的に有名な童謡や民謡から、洒落をきかせて引用するというテイストですね。ナット・キング・コールのカバーが有名な「The Christmas Song」は、最後にギターで「ジングルベル」のフレーズが入るのですが、最高に洒落ていますよ」
最後に、宮治氏がDJとしてこのクリスマスにオンエアする予定の楽曲を教えてもらった。
「一つは、イギリスの歌手、ギルバート・オサリバンの「Christmas Song」(1976年)。〈I'm not dreaming of a white Christmas〉という、「White Christmas」の歌詞をもじっているフレーズが大変印象的で、時代背景も濃い名曲です。もう一つは、The Ronettes「Sleigh Ride」(1963年)。フィル・スペクターがプロデュースしたクリスマスコンピ『Christmas Gift For You: From Phil Spector』に収録されています。昔ながらのクリスマスソングを題材に、オリジナリティ溢れるアレンジで録音されていて、まさに時代を超えて聴かれる名盤ですね。最近は、Pentatonixのカバー(2014年)なども有名です」
(※1)
https://spotifycharts.com/regional/global/weekly/latest
https://www.billboard.com/charts/hot-100/
(※2)
https://www.universal-music.co.jp/p/uicz-1578/