あの、不思議な言動はテレビ向き? バラエティで輝く予定調和を崩すキャラクター
『ラヴィット!』や『水曜日のダウンタウン』(以上、TBS系)、『ワイドナショー』(フジテレビ系)への出演、冠番組『あのちゃんねる』(テレビ朝日系)や直近ではAmazon Prime Video YouTubeチャンネルで配信された『勝手にドキュメンタル大賞』など、バラエティ番組を中心に活躍を広げている あの。独特な喋り方や感性が面白がられている印象を持つが、彼女のトリッキーなキャラクターが現代のバラエティで輝きを見せる理由とは。
アーティストとして活動する傍ら、女優・モデルとしても幅広く活躍する あの。Twitterのフォロワー数51万人を超えるなど、サブカル界のカリスマの1人として元々若い世代を中心に絶大な人気を誇る あのだが、最近では『新shock感』(テレビ東京)や、冠番組『あのちゃんねる』などの出演で、予想のつかない不思議な言動が地上波でも注目を集めている。
その魅力は、やはり個性的なキャラクター。二次元の世界から飛び出してきた少女のような容姿と、舌足らずでゆっくりと囁くように喋る子供のような声で、一見すると“透明感あふれる可愛いらしい子”という印象だ。しかし、芸能活動を始めた理由は“引きこもりから脱出するためのきっかけ作り”であり、その不思議なキャラクターはデビュー当時から異彩を放っていた。
人見知りのような素振りを見せたかと思えば、やる気がないように見えて実はやる気があったり、またその逆も然りで、業界やお笑いのセオリーが通じないところにスリルがある。『あのちゃんねる』では“友達を増やしていこう”という企画で芸人と絡むことが多かった。あのに興味を持たせることから始まり、キャッチボールのできないトークやリアクションの薄さなど、番組を何とか成立させようと芸人が頑張るという流れは、まるで人見知りの子供とコミュニケーションを取ろうとして振り回される大人たちのような構図だ。