PSYCHIC FEVER SAM、INI 許豊凡……海外にルーツを持つメンバーが参加　国内グループでも進むグローバル化

　INIの許豊凡は、今年の春に人気オーディション番組である『PRODUCE 101 JAPAN SEASON 2』に参加し、見事最終順位8位でデビューを決めた。番組放送当時、許は中国出身というルーツに限らず、様々な場面で視聴者にその存在を印象づけたように思う。許が大きくクローズアップされたのは3話。グループバトルで許は、BTS「I NEED U -Japanese ver.-」のメインボーカルを担当することとなったが、練習で上手く歌えない自分に対し感情を露わにする様子が放送された。この場面では負けん気が強く、自分に厳しい性格であるように思われたが、その一面が後には場を盛り上げることになった。それは、最終デビュー評価のポジション決めだ。“プデュ”シリーズではお馴染みの“下位の練習生から希望のポジションに立候補し、後から上位の練習生がそれを横取りできるシステム”であり、これまでのシリーズでは下位の練習生はパート選びの際、遠慮する傾向にあった。しかし当時19位だった許は、堂々とメインボーカルパートへ一直線に進み、立候補したのだ。この勢いにはライバルである練習生や視聴者も大いに沸いていた。

　INIのメンバーになってからの許はさらに新たな魅力を発信し続けている。パフォーマンス面では、番組放送時から歌唱力が評価されていた藤牧京介・髙塚大夢コンビに劣らぬボーカル力を発揮している印象だ。また、ファンの間で人気なのは、INIの公式YouTubeチャンネルで公開されている「[INI Korea Vlog Tour] 〜人生写真編〜」。リーダーの木村柾哉と当時滞在していた韓国で息抜きする様子が投稿されているが、2人のやりとりがほっこりするというコメントが多い。確かに、動画内では番組やパフォーマンスで見せてきた姿とは一味違う2人のキャラクター（特に許はストレートで愛嬌のある性格）が全面に出ていたように思う。現在は独特なヘアスタイル＆カラーでも目立つ許。INIのキーパーソンとしてさらなる活躍を見せてくれるだろう。

　SAMや許のような海外出身のメンバーは、実力のアピールがうまく、個性が際立つ傾向にある。また、グループに海外出身のメンバーがいることで、メンバーの出身国へのアピールや“逆輸入”的な動きも期待できる。最近はNCTのYUTAやSHOTARO､ENHYPEN NIKIなど、日本から韓国へ渡り、グローバルに活躍するメンバーが目立っていたが、今後、日本のダンス＆ボーカルグループもグローバルに富んでいくようになるかもしれない。