Travis Japanのパフォーマンスに深みをもたせる“楽曲解釈”のシンクロ 期待以上のものを届けてくれる信頼のグループ
7月31日に放送された『~EP.3:Techno〜 Travis Japan × PIKOTARO』(BSフジ)。世界を見据えるTravis Japanのドキュメンタリーである同番組では、これまで『~EP.1:ROCK~ Travis Japan×MIYAVI』『~EP.2:和楽器~ Travis Japan × MAHORA』と、世界的に活躍する日本人アーティストとのコラボレーションを行ってきた。ゆくゆくはその一角を担うであろうTravis Japanにとって、同番組は成長と刺激の場であり、パフォーマンスはもちろんそれだけに留まらない彼らの魅力を発信する場である。
“テクノ”をテーマにした第3回では、音楽プロデューサー・古坂大魔王が楽曲を提供。パフォーマンスではピコ太郎とのコラボを果たし、反響を呼んだ。
これまでの放送回同様、ミッションの通達は突然行われる。「課題曲に6時間で振り付けを行うこと」「パフォーマンスは1カメ&1カットで行うこと」などのほか、今回は「ダンスにコミカルな要素を入れること」「メインの振り付け担当者をくじ引きで決めること」が課せられた。
プレッシャーやピンチをも楽しむのがTravis Japanの強さだ。時間がない、経験がない……そうした言い逃れが通用しない厳しい世界で、一切の妥協を許さず「Show must go on」を貫いてきた。Travis Japanの経験はダテではない。
放送後にはピコ太郎も「あの若者たちは世界レベル間違いなしでした」と、興奮気味にツイート。Travis Japanの新たな可能性を見せつけた時間だった。
また7月29日には、Travis Japan初の全国ツアー『IMAGE NATION ~全国ツアーしちゃってもいいですかっ!?〜』より「The Show」のパフォーマンス動画がジャニーズJr.チャンネルにアップされた。信じがたいことだが、当日は2回公演。その本編ラスト1曲にして、この“魅せる”ステージだ。
Travis Japanのパフォーマンスを評する際、「ダンスのシンクロ率」が筆頭となることが多いが、「楽曲解釈」のシンクローー共有の深みも、彼らのパフォーマンス力を高めている要素であると思う。
各所でカメラへのアピールはあれど、その表情はアイドルのそれではない。歌、ダンス、視線、些細な仕草についても同じくだ。さらに言えば、メインパートを担わない場面での一人ひとりの表情管理や立ち姿にも注目してほしい。ステージで、楽曲という「ショー」を演じる、それがTravis Japanのパフォーマンスである。
だからこそ、曲終わりに見せる晴れやかな笑顔が実に印象的だ。ステージの左右へ走り、ファンを煽る場面では、アイドルらしい表情を見ることができる。しかし、ひとたび立ち位置に戻れば、幕が下りるそのときまで「演者」であり続ける。YouTubeで観るにはなんとも贅沢な、上質なショータイム。拍手を送らずにはいられないほど、観るものを惹き込み圧倒するパワーがあった。