日向坂46 齊藤京子&佐々木久美のトーク力に注目 『キョコロヒー』と『みえる』で輝く2人のバラエティセンス

 今やテレビで見ない日はないほど快進撃が続いている日向坂46。各メンバー、ソロでの番組出演が増え、なかでも齊藤京子は『キョコロヒー』(テレビ朝日系)、佐々木久美は『みえる』(テレビ朝日系/ABEMA)でそれぞれソロでMCを担当し、2人のトーク力にますます注目が集まっている。

日向坂46『ひなたざか』(通常盤)

 『キョコロヒー』は、齊藤京子初の冠レギュラー番組。これまでにない齊藤の素の魅力が引き出されていると話題だ。齊藤は抜群の歌唱力とダンススキルに定評があり、アイドルとしての高いポテンシャルの持ち主だが、『日向坂で会いましょう』(テレビ東京)になると、魅惑の低音ボイスから繰り出される天然発言など、その愛くるしいルックスとは裏腹に、一言で笑いを持って行く一撃必殺タイプ。自由に喋らせると面白いタイプだが、日向坂46の番組では大人数での喋りや後輩への対応が苦手な齊藤にとって、抑制していた部分もあるだろう。

 そんな齊藤が思いのままに発言や行動をして話題となっているのが『キョコロヒー』だ。ピン芸人のヒコロヒーと共に、ダンスの魅力を掘り下げていく番組だが、番組の半分以上がダンスとはあまり関係のない2人によるトーク。

 我が道を行く齊藤のトークが繰り広げられ、ヒコロヒーの受けの美学があるからこそ成立しているのだが、早口で喋り続ける頭の回転の速さと、芸人をも惑わせる予想外の切り口にまず驚かされる。思ったことを素直に言って相手をあおったり、「私のアナザースカイは静岡の伊東」と発言するなど絶妙なセンスを発揮。

 番組で話題の“ドンジャン”の話など自分のことは本当に嬉しそうに話すが、ヒコロヒーが「京子を全然制せていない」と話した場面で、「制せてます!」と応答する齊藤に「制せてる? ほんま?」とヒコロヒーが聞くと、「制せてるってどういう意味?」と聞き返し愕然とさせるなど、他人の話には高田純次ばりに適当なところが面白い。

 ただ、日向坂46の写真集『立ち漕ぎ』の巻末のアンケートでメンバーが齊藤の名前を誰も挙げていないことをツッコまれると、「涙と怒り」と言葉に出し、このエピソードが番組で触れられることで「マジで笑いに変えられるって最高」と話したり、酒、タバコ、男という普段あまりアイドルが触れることのない話題を振られても、卒なく対応していくところにプロ意識や自分の矜持をしっかりと持っていることが伺える。単純に面白いだけでなく、人間的な魅力もこの番組で見せている。

 齋藤は自分のキャラに迷っていると最近よく答えているが、得意げにセグウェイに乗るシュールな光景だけでも、これほど個性的なアイドルは他にはいない。天然というより、本人が言う「私はめっちゃ一般(人)なんですよ」という言葉通り、ただ普通のことをしているだけなのかもしれないが、それが面白さを生み出している。

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