the band apart 木暮栄一「HIPHOP Memories to Go」第2回

the band apart 木暮栄一「HIPHOP Memories to Go」第2回 海外生活でのカルチャーショックと“A Tribe Called Questの衝撃”

 それまでも、この曲何となくいい感じだな、と思うMVはたくさんあったのだけど、前述の通りファッション先行で見ていたので、クールな映像のクールなBGM、といった感覚でしか捉えていなかった。その色眼鏡をぶち割ってくれたのが「Award Tour」だ。Weldon Irvine「We Gettin' Down」をサンプリングしたこの曲のイントロ、幽玄なローズのリフからリズムとベースが入ってきたときに受けた衝撃は、一生忘れないと思う。

A Tribe Called Quest - Award Tour

 この曲が収録された『Midnight Marauders』というアルバムをきっかけに彼らの過去作や、De La Soul、Jungle Brothersといった周辺アーティストはもちろん、他の気になったヒップホップ・アーティストたちの作品を、ゆっくりと(お金がなくてCDをたくさん買えなかった)ディグる毎日が始まるのだった。

 ......やべー、バンドの話を全然してねー。

 けど、カナダにいたこの時期は、川崎と1回エアメール(死語?)のやりとりをしたくらいで、荒井に至ってはまだ出会ってもないし、しょうがないよね。

 というわけで、この頃の彼らの状況を簡単にまとめて今回は終わりたいと思います。

 荒井(角刈り)は、某有名ラグビー部のある名門高校で、悪しき体育会系の理不尽上下関係の洗礼と奮闘中。

 川崎は、テニス部ではなく水泳部に入り、竹野内豊風のヘアスタイルでギターの速弾きスキルを磨く日々。

 原(角刈り)は、極真会館本部練習生から、3ミリ坊主のタフガイへ。帰国した僕とヒップホップの話になったときに彼が放った一言、

 「俺、Heavy Dになりたいんだよね」

は、いま思い出してもカッコ良すぎると思う。

当時の原昌和

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木暮ドーナツ Twitter(@eiichi_kogrey)

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