では、これらの要素と詞の世界観によって表現されているテーマが何かというと、「恋をすることの素晴らしさ」だ。これは言わずもがな“チェリまほ”の世界観に通じており、例えば〈Good Love Good Love〉（グラグラ）や〈Your Love Your Love〉（ユラユラ）など揺らぐ心をキャッチーに表現した言葉遊びに代表されるように、主人公・安達（赤楚衛二）のことを想う黒沢（町田啓太）の真摯でいじらしい恋心にシンクロしている。さらに言えば、意図したものかどうかは不明だが、歌詞の一部フレーズには原作コミックにおける黒沢のモノローグにシンクロしているような箇所もあり、一見シンプルだが奥深い作りになっている。

　ちなみに“チェリまほ”のエンディングは、「Good Love Your Love」の軽快なサウンドとともに安達と黒沢が仲睦まじい様子で夜の街を歩いていく映像が流れるという内容になっており、それ自体が同ドラマ内の心温まるような空気感を表現している。

　つまり、たとえ本編で2人の間にすれ違いや何かしらの障害が生じて、観ていて切なくなるようなストーリー展開があったとしても、エンディングでは必ず映像と歌によって明るく優しい着地を迎えることができるのだ。そう考えると、エンディングテーマとしてこの楽曲が持つ意味はとても大きいと言えるだろう。

　DEEP SQUADは公式YouTubeにてオリジナル楽曲のMVのほか、LiSA「紅蓮華」のカバー動画など、一人一人の歌声の魅力がわかる多数の動画が公開されている。“チェリまほ”をきっかけに興味を持ったという人も、理解を深めやすいはずだ。

　また、11月21日には初のオンラインワンマンライブ『DEEP SQUAD PREMIUM LIVE 2020 "NEW STORY"』の開催が予定されている。より聴き応えのある美声と歌唱表現を堪能したい人は、こちらもチェックしてみてほしい。

■日高 愛
1989年生まれの会社員。『HIGH＆LOW』をきっかけに大ファンとなったTHE RAMPAGEを中心に、LDH所属アーティストについて研究中。
note