宗像明将のチャート一刀両断!
25周年のV6、チャート首位でシングルTOP10入り連続年数更新 爽快さとメロウさで聴かせる『It’s my life/PINEAPPLE』
参考:2020年10月5日付週間アルバムランキング(2020年9月21日~2020年9月27日)
「勤続25年の男たちの、新作」と銘打たれているのが、1995年に結成されたV6の52枚目のシングル『It’s my life/PINEAPPLE』。10月5日付のオリコン週間シングルランキングで初登場1位となり、V6が歴代1位記録を持つ「デビューからのシングルTOP10入り連続年数」は26年連続に更新されました。
『It’s my life/PINEAPPLE』は両A面シングル。まず「It’s my life」では、アメリカンロックをも連想させる壮大なスケールのサウンドと爽快なメロディに魅了されました。かなりの快作だと感じます。
耳を引くのは、ヒップホップを通過したビートの処理です。重く響くエレキギターとは対照的に、軽やかに響くドラムの音に「技」を感じました。メンバーが歌い終わると同時に楽曲自体も終わる構成にも驚かされます。
ブラスセクションやストリングスが入っている楽曲に比べれば、トラックの音数は多くありません。その代わり、メンバーのボーカルのソロパート、そしてユニゾンの魅力を活かしつつ、爽快に響かせる構成になっています。サウンドにも、空間を意識したMVにも、「引き算の美学」を感じるのが「It’s my life」です。MVのエスカレーターのシーンでは、メンバーが登っていく瞬間にシンメトリーになっているのがスタイリッシュ。
「It’s my life」の作編曲はRadical Hardcore Clique。2DJとドラムから構成される特異なバンドです。そうしたバンドの持つセンスが、十二分にビートに投入されています。作詞の宮田“レフティ”リョウは、歌い手出身の天月-あまつき-の作品群などで印象深いソングライターです。