『P-POP』インタビュー
ピンキーポップヘップバーンに聞く、新ジャンル『P−POP』の全貌と歌手活動への想い「みんなに一番近いVTuberになりたい」
人気VTuber輝夜月の後輩=ピンキーポップヘップバーンが、1stアルバム『P-POP』をリリースする。2018年からVTuberとして活動をスタート。輝夜月と同じMika Pikazoが手がけたカラフル&ポップなキャラクターデザインと、ゲーム&アイドルに対するオタクぶりで注目を集め、公式YouTubeチャンネルの登録者数は現在19万人を数える。元日に放送されたNHK『バーチャル紅白歌合戦』で、Official髭男dismの「宿命」を歌い、歌唱力の高さも話題になった。
そんな彼女の1stアルバム『P-POP』には、2月にリリースされた1st EP『P!NGPONG QUEST』収録の「P!NGPONG QUEST」「MAD TIME LOVE」「チョコレイト弁当」の他、「あつまれ!PPHワールド」、「はぐれメンタル」、「乱数調整ゾンビ」など、PPHらしさ溢れるポップでカラフルな楽曲を全11曲収録。彼女が音楽活動に寄せる想いと、楽曲制作のエピソードを聞いた。(榑林史章)【記事最後にプレゼント情報あり】
“ピンキーポップヘップバーンの歌であること”を一番に考えて歌う
ーーまず今の活動全般について、お伺いしていきたいと思います。ピンキーさんがアーティストを目指すきっかけになった、曲やアーティストはいますか?
ピンキーポップヘップバーン:みんなが喜んでくれるのが嬉しくて、お歌を歌い始めたので……明確なきっかけのようなものは無いんです。でも、輝夜月パイセンやキズナアイさんなど、同じVTuberの先輩方の音楽活動は、やっぱりかっこいいなぁと思っていて。どの先輩も自分の活動やイメージにあった楽曲を歌っていらっしゃるので、「いつか自分が歌うならどんな曲になるんだろうなぁ?」と、ずっと想像していました。それが歌い始めのきっかけなのでは……? そういうことにします(笑)!!
ーーじゃあ、そういうことで(笑)。では、今の自分の人生に影響を与えたと思う曲やアーティストは?
ピンキーポップヘップバーン:やっぱりアイドルの方たちですかね。2次元も3次元も両方です。見たり聴いたりするととても幸せになれますし、そうなりたいと思います。最近では、ハロプロのアイドルさんたちのライブ映像やYouTubeチャンネルをいっぱい見ています! Juice=Juiceさんの「Va-Va-Voom」がめちゃくちゃ好きで、メンバーの段原瑠々ちゃんが踊っている動画やライブ映像を何回も見ています! 振りがめちゃくちゃ可愛いんですよ!
ーー目標とする存在もアイドルだったり?
ピンキーポップヘップバーン:いえ、「目標!」という感じでは無いですけど、声優の田村ゆかりさんのような、ジャンルとして確立している歌い方というか。聴いたら「ア~~~~ピンキーポップヘップバーンだ!」と、分かってもらえるふうになれたらいいなと思いますね。
ーーピンキーさんは2018年からVTuberとしての活動をスタートし、今そこにアーティストとしての活動が加わったわけですが、それぞれの活動で意識しているのはどんなことですか?
ピンキーポップヘップバーン:なんか、説明するのがすごく難しいです……VTuberとしての活動は、自分を表現する場というか、好きなことをやったり、みんなとお話したりする感じです。アーティストとしては、VTuberとして活動している自分の内容に沿って、後から曲ができてくるといったイメージがあります。
ーー音楽活動を展開するVTuberの方も増えましたが、シーンの中でピンキーさんが他のVTuberには負けないと思う点や、自分にしかない強みとしているのはどんな部分ですか?
ピンキーポップヘップバーン:自分にしかない点は、たぶん「共感性」かな? と思っています。自分自身もかなりのオタクなので、オタクの目線で物事を見たり行動したりするので、みんなと視点が近いのではないかなって思います。
ーーオタクの目線の行動と言うと、例えば?
ピンキーポップヘップバーン:たとえば、オタクは過去に見たものが推しの最新コンテンツに含まれてると伏線回収のようなエモさを感じてしまったりするのですが、そういった「オタクが好きなこと」を自分も理解できるので、自分自身の活動にもいっぱい盛りこみたいと思っていたり……。あとはシンプルに、推しの顔がよすぎるとオタクは幸せになれるので、顔は常に良くあれと思っています。
ーーアーティスト活動を行う上で心がけていることは? そんな活動を支えてくれるファンにとって、自分はどんな存在でいたいですか?
ピンキーポップヘップバーン:かっこよくとか上手く歌うよりも、「ピンキーポップヘップバーンの歌であること」を一番に考えて歌っています。それと応援してくれるみんなにとって、私の存在は、仲の良い友達やフォロワーさんみたいな感じだったらいいなと思っています!
ーーそんなピンキーさんは、1stアルバム『P-POP』をリリースします。率直にどんなお気持ちでしょうか?
ピンキーポップヘップバーン:やっと出せる!!! めちゃくちゃ準備してきたので、みんなにお届けできるのが本当に嬉しいです。
ーーアルバムを作る上で、どんな作品を目指しましたか? 思い描いていた青写真などがあれば教えてください。
ピンキーポップヘップバーン:『P-POP』は、まるでおもちゃ箱のような、ごちゃごちゃしているけど統一感があって楽しい!! みたいなイメージです。あの〜、海外のお菓子で名前分からないんですが……、馬の人形を叩き割ると中からお菓子が出るやつっぽいですよね(笑)。
ーーメキシコのピニャータというやつですね。アルバムの作詞作曲とプロデュースは、クリエイターの佐々木喫茶さんが手がけていますが、佐々木さんの楽曲の魅力は?
ピンキーポップヘップバーン:最初は「楽曲を制作してくださる方は、佐々木喫茶さんという方だよ~」といった感じで、お名前を先に伺っていて。最初に1st EPに収録の「P!NGPONG QUEST」のデモを聴いて、「めちゃくちゃ楽しい曲だ!」と思って、「こういう曲を作る人って、どんな人なんだろ~」と、ワクワクしながらお会いした記憶があります。実際にお会いした感じは、当たり前ですけど「めちゃくちゃ音楽をやっている人だ!! ワァ!!」と思いました(笑)。レコーディングでは、めちゃくちゃ困らせちゃっていますけど、いい人です! すごい人です!
ーーポップでエレクトリックのサウンドは、カラフルで華やかなピンキーさんにぴったりだと思いました。ご自分の声や容姿と音楽性の相性について、どんな風に考えていますか?
ピンキーポップヘップバーン:「ピッタリなのでは!?」と、自分でも感じています(笑)。初めて曲のデモを聴いた瞬間からのしっくり感がとんでもなくて、歌う時のイメージと言うか、「こうしよう!」みたいなのが、分かりやすかったです。