音楽で楽しむ『あつまれ どうぶつの森』 とたけけの曲、オーディオ音質、青空音楽会……無限大の遊び方
「どうぶつの森」シリーズ最新作『あつまれ どうぶつの森』(通称『あつ森』)。“おうち時間”で朝から晩までプレイして、本作のBGMが耳になじんでしまった人も多いのではないだろうか。無限大の遊び方のある『あつ森』を、今回は「音楽」に関する楽しみ方にスポットを当てて紹介しよう。
島で流れるBGMに耳を傾ける
『あつ森』の舞台となる島は、1日の中でも見せる情景を変え、流れる音楽も変わっていく。朝は明るく元気な曲、のんびりした昼下がり、どこか切ない夕方のメロディ、夜はひっそりと静謐なムードに……。風で木々が揺れる音、砂浜に打ち寄せるさざ波の音といった、自然が生み出す音ともマッチする曲ばかりだ。BGMは1時間に1曲ずつ設定されているので、どの時間帯の曲が好みか、考えてみるのも楽しいかもしれない。
そして、本作で最も印象的な音楽といえば、本作のテーマ曲「みんなあつまれ」だろう。スタート画面で毎日耳にする、シンプルながら飽きのこない、ずっと聞いていられる名曲だ。先日、「どうぶつの森」公式Twitterアカウントにて、このテーマ曲を、演奏家たちがリモートで披露する動画が公開された。
動画で見てみると、こんなに多くの楽器が使われていたのか、ここで入ってきた音はこの楽器だったのか! と、新たに気付かされることが多い。すっかり耳になじんだテーマ曲が、新たな厚みを持って聞こえてくるから不思議である。
多彩なジャンルの曲を集める、学べる
「どうぶつの森」シリーズで音楽といえば、過去作から登場する白い犬のミュージシャン・とたけけの楽曲。『あつ森』では、毎日「たぬきショッピング」で購入するか、ライブに訪れたとたけけにリクエストすることで楽曲を入手できるのだが、実に種類が豊富だ。
「けけロック」「けけファンク」「けけディスコ」といった近現代的なジャンルはもちろん、西洋近代で広まった「けけワルツ」「けけソナタ」、様々な地域に根差した「けけマハラジャ」「けけチャイナ」「アイリッシュそんぐ」「コサックそんぐ」。「けけえんか」「けけじょんがら」「けけだいみょう」といった日本の伝統音楽もカバーしながら、特撮の主題歌風の「ゆけ!けけライダー」、刑事ドラマの主題歌風の「けけけいじ」、学校の式典で合唱した思い出がよみがえる「けけせんせい」など、現代日本人だからこそクスッと笑えるものも。とにかくジャンルに幅があるので、誰しもお気に入りの曲が見つけられそうだ。
さらに、ほとんどの曲名が「けけ〇〇」という形で、そのままジャンルを表しているのも特徴的である。音楽好きな人でも、楽曲を聞いてすぐに特定のジャンルに分類し評価できる人ばかりではない。「ジャズ」と「フュージョン」の違いを説明できる人も、「ミロンガ」と言われてすぐに具体的な曲調をイメージできる人もそう多くはないだろう。プレイヤーの中には音楽にあまり興味がない人もいるはずだ。
それでも、アイテムとして「曲」を入手していくうちに、「ハウスってこういう感じなんだ」「カリプソって、初めて聞いたけど好きかも」と感じることがあるかもしれない。『あつ森』は、ゲーム感覚で(実際ゲームなのだが)、新しい音楽ジャンルを知る入り口を提供していると言えるだろう。
オーディオプレーヤーの音質まで聞き分ける
「曲」だけでなく、曲を流す「プレーヤー」の家具も多数取り揃えられている。DIYで手作りする「つみきコンポ」から、高級感ある「ジュークボックス」まで、様々な見た目の家具があり、各々が目指す島のコンセプトにあわせた家具で、音楽を楽しめるのは嬉しい。
とはいえ、オーディオの本質は外見ではなく音。『あつ森』はそこもしっかり押さえている。なんと、家具によって、「音質」の違いが存在するのだ。
例えば、「マルチコンポ」は、大型でそれなりのお値段なだけあり、メロディが透き通って聞こえる。
「ダブルラジカセ」のような、お手頃な価格で買える家具は、ちょっと低音質な響きだ。
こもった音で、独特の味わいがあるのは「ちくおんき」。曲によっては、あえてこの音質で聞くのがオツかもしれない。
ゲームの世界観に合わせて可愛らしくデフォルメしながらも、リアルに寄せた「チープな音質」まで追求するこだわりには、ニヤリとさせられる。