SKY-HI、3時間にわたる「自宅ワンマン」に込められた想い 愛を持って日々を乗り越えていくこと

 第3部は打ち上げのような和やかな雰囲気で行われた。SKY-HIもハイボール缶を開け、ほっと一息。一通りやり切ったという安堵の表情を浮かべる。セットリストもファンのリクエストを反映していたようで、「Things To Do」のあとに「Ms. Liberty」を繋ぐという柔軟な展開を見せた。中盤ではSEKAI NO OWARIのFukaseに電話をする一幕も。生放送を見ていたことを告げられると、こそばゆそうにはにかんでいた。「キミサキ」に繋ぎ、Fukaseと共に仕掛けた「the days」へ。かつての日々を俯瞰したように歌い上げると、終盤になだれ込む。

 「創始創愛」では人間の一番の武器は愛だと唱え、「リインカーネーション」では再生への願いをこめる。「I Think, I Sing, I Say」を経て、結びの曲となったのは「Marble」だ。この2曲に共通しているのは、“愛を持って生きていこう”という思想である。大変な時期だからこそ、拳に手のひらを重ねて愛し合っていこうと彼は伝えたかったのではないだろうか。今できる全てを詰めこんだ3時間ワンマンライブを、SKY-HIは満身創痍でやり遂げた。

SKY-HI自宅ワンマン -2020.05.06- (SKY-HI One-Man Show at Home)

 今回の自宅ワンマンライブは、大きく分けて2つのポイントがあったと言っていいだろう。ひとつは、リスナーを信頼した上で説明を必要とする曲が少なかったこと。問題について考えさせるような楽曲ではなく、純粋に「かっこいい」「楽しい」と感じられるナンバーが多かったのは、この状況でも楽しんでもらえるエンターテインメントを届けようという彼の心意気と視聴者への信頼があったからこそ。それぞれが苦しんでいることを踏まえ、「楽しめることは全力で楽しもう」「その先の希望へも目を向けよう」と提示したかったのではないだろうか。

 もうひとつのポイントは、冒頭でも触れたが「生きる・愛する」の側面が強く打ち出されていたことだ。彼は常々ライブで「君が隣の誰かを大切にできたら、世界平和だって叶うと思う」と語っているが、まさしくそういう想いを音楽で届けていたように感じる。あの頃には戻らないけど、生きてるなら終わらない。先行きが見えない現実が続いていくが、「愛を持って生きていこう」と伝えたかったのではないだろうか。

 かつての日々は残念ながら戻ってこないし、どのような光が日本や世界を救ってくれるのか見当もつかない。しかしながら、笑顔は遠くても消えたわけじゃない。心がふさぎこみそうになったら、楽しいことにも目を向けて。愛を持っていられる時は、ネガティブにも寄り添って。目の前にある日々を越えていこうと、心に刻んだワンマンライブだった。

#SKY-HI自宅ワンマン SETLIST

■坂井彩花
ライター/キュレーター。1991年生まれ。ライブハウス、楽器屋販売員を経験の後、2017年にフリーランスとして独立。Rolling Stone Japan Web、EMTGマガジン、ferrerなどで執筆。Twitter

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