日向坂46 小坂菜緒&渡邉美穂、『DASADA』で見せる成長した表現力 対極な存在感を放つ二期生コンビに注目

 日向坂46として初の主演ドラマとなる『DASADA』(日本テレビ系)が、1月16日よりスタートした。同ドラマは小坂菜緒演じる佐田ゆりあが、渡邉美穂演じる篠原沙織とともにファッションブランドを立ち上げる青春物語で、二人は重要な役どころを演じている。同じ二期生である小坂と渡邉は、パフォーマンスにおいて対極な存在感を放ちながらも、ともにグループを引っ張っている。今回はそんな二人に注目したい。

日向坂46『ソンナコトナイヨ』(TYPEA)

 デビューから4作連続で表題曲のセンターを務める小坂菜緒は、感情豊かに表現するパフォーマンスでグループを牽引する日向坂のエース。演技の分野でも活躍をみせており、映画『恐怖人形』で主演としてシリアスな役に挑んだ。一方『DASADA』では、“究極の天然”を演じており、わずかな女優キャリアでありながら別人格になりきる姿に驚かされる。小坂が演じる佐田ゆりあは、とにかくポジティブで自分を最高に可愛いと思っているキャラクター。小坂は自身と真逆の性格であることから、佐田と似ているという丹生明里の行動を観察し、「丹生ちゃんならこうする」とイメージしながら撮影に挑んだという(BOMB2020年2月号)。そして同ドラマでは佐田ゆりあという人物を自分のものにしている。その柔軟性と感性の鋭さは小坂の魅力の一つだ。

 また、このような役柄をしっかり振り切って演じているところがいい。コミカルな演技は、ちょっと間違えるとさむくなってしまいがちだが、『DASADA』においての小坂はしっかり視聴者を楽しませているように思う。そういったところに、役者としてのセンスと度胸を感じる。3rdシングル曲「こんなに好きになっちゃっていいの?」では小坂の表現力がより情熱的になっているように感じたが、もしかしたら『DASADA』での経験がパフォーマンスにさっそく還元されたのかもしれない。

 渡邉美穂は、日向坂の元気印とも言える存在。メンバー唯一のソロ写真集を発売したり(『陽だまり』)、一期生を中心にキャスティングされたドラマ『Re:Mind』で二期生として唯一出演するなど何事も二期生の先陣に立っており、期待と信頼を得ている。また、活発な可愛さやストレートに感情をぶつけてくる力強いパフォーマンスからは、小坂とは異なる魅力の持ち主だといえるだろう。

 小坂同様に演技では様々な一面を見せている渡邉。舞台『マギアレコード 魔法少女まどか マギカ外伝』では深月フェリシア役として元気で勝ち気で自由気ままな魔法少女を演じていたが、『DASADA』の篠原沙織は、コミュニケーション能力が低く物事をストレートに言ってしまう気難しい役に挑んでいる。篠原は一見渡邉のイメージにはない役柄のように思えるが、自分に厳しいストイックな一面は共通しているように思う。日向坂46の楽曲で2列目ポジションが固定位置になっている現状に悔しさを滲ませていた姿(『セルフ Documentary of 日向坂46』/TBS CS)は篠原の性格とも重なる。また、渡邉は、佐田に感化されていく篠原の心情の変化を繊細に表現。渡邉の演技力はどんどん懐が深くなっている印象だ。

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