TXT、ITZYら次世代の台頭、“プデュ”シリーズが与える影響……DJ泡沫×NICE73が語り合う、K-POPシーンの展望
『PRODUCE 101』=“プデュ”シリーズが与えた影響
――一大ブームになった『PRODUCE 101』(通称:プデュ)シリーズでは投票操作疑惑があり、Mnet側は制作を止めると発言していました。
DJ泡沫:事務所内サバイバルはこれまでも『SIXTEEN』『WIN』などがありました。『SIXTEEN』出身のTWICEの場合、 番組がオンエアされた段階でもうある程度のファンダムができていて、今も結構手堅いファンが多いみたいですね。そんな中で“プデュ”は様々な事務所が参加するサバイバルで初めての成功例で。 事務所を様々にしたことによって間口が広がったかもしれません。 ただ、“プデュ”が流行っていた時に人気が出たかもしれない他のグループもその勢いに押されてかイマイチ伸びきれなかったし、結局“プデュ”で誕生したグループも期限付きの活動だから、 一概に良かったとは言えない。AB6IXやCIXなど、“プデュ” のデビュー組メンバーで後々グループを結成した時にどれくらい人気が出るかも、これからでまだはっきりしないですよね。
NICE73:視聴者側も、正直サバイバルオーディション番組に飽きていたところはあると思います。だからこそ番組側が演出に走ってしまったのかもしれません。実際、本人たちにインタビューすると彼らは死ぬ気で頑張っているからこそ、その見せ方に対して「うーん」と感じた部分があったのを思うと、少しずつ減っていっても良いんじゃないかな、と。でも泡沫さんがおっしゃっていたみたいに、ファンの母体を作る意味ではオーディション番組はすごく良いと思います。
DJ泡沫:いわゆるファンダムの母体が最初からある程度ないと、長い目で見たらどのグループも厳しいのかなと。なまじTVで注目された後で空席を隠す黒幕だらけの会場を見ると、ファンも萎えちゃって次行くのやめようかな、みたいなケースもあるので悪循環ですよね。だから最初は小さい箱でもいっぱいにする方が重要なのかも。それでちょっとずつ規模を大きくしていく方がファンも安心して応援できるし、これからもお金を出すぞって思えると思うんですけど、難しいですよね。
――プデュと言えば、『PRODUCE 48』が大きなきっかけとなり、IZ*ONEの宮脇咲良さんはじめ、韓国に渡って活躍する日本人アイドルも目立ちます。
DJ泡沫:もしかしたら日本版“プデュ”(『PRODUCE 101 JAPAN』)に出演したメンバーで、日本人メンバーを探している海外の事務所から練習生として声をかけられた人もいるかもしれないですね。
NICE73:韓日の関係が良くならないとなかなか難しいですよね。世代によって、その感情の強弱はあると思うんですけど、根本的にはなかなか変わらないから、もうちょっと受け入れてもらえる土壌が広くなればいいな、と。女性アイドルは短命というのもあり、今すでに人気のあるメンバーを韓国グループに投入するのはこれからもあるかもしれないですね。
DJ泡沫:日本だと、ある程度トレーニングされて歌やダンスができる子は、アイドルというよりダンスボーカルグループに所属したり、歌やダンスを専門的に仕事にすることが多かったですよね。でもその中から日本版“プデュ”の川尻蓮くんみたいに、バックダンサーをやっていたけどアイドルになりたい、という道が拓けたのは選択肢が増えて良いことだと思いました。
(後編へ続く)