イタリアのハードコアフェスの特徴は? DEATH SIDEとMUSTANGがヴェネツィアに残した爪痕
2019年5月1日にアメリカ西海岸ツアーから帰国したDEATH SIDEだが、翌週5月8日にはイタリアのヴェネツィアで行われる『Venezia Hardcore Festival 2019』への出演のため、今回はDEATH SIDEでギターを弾いている弁慶によるバンド・函館のMUSTANGと共に再び日本を旅立った。5月10日と11日の2日間に渡り行われるフェスであるが、アメリカのフェスとの違いなども混ぜながらイタリアフェス事情を紹介していきたいと思う。
ロシア・モスクワ経由でイタリア・ヴェネツィアに深夜到着し、翌日は1日休みのためにゆっくりと観光することができた。
宿泊場所もキャンプ場のコンドミニアムのようなところで、キッチンとシャワー、ベッドがあり快適だ。
ゆっくり一晩休んだ後にヴェネツィア旧市街観光に行ったのだが、DEATH SIDEで海外へ行く場合は単発のフェスが多く、基本的にライブ会場と空港への行き帰り以外は自分たちで全て行動することになる。
ヴェネツィアでも同じで、観光のためにGoogle マップで観光地や交通手段を探して地元の電車やバスを使い行動する。
アメリカのオークランドでもそうだったのだが、オークランドでは3日目のライブハウスへ行くことができず、地下鉄駅周辺で迷っているところを、DEATH SIDEだと知っている人間が車で通りかかり、トラックの荷台に乗せて行ってくれた。
アメリカ、特にオークランドはかなり治安が悪いために帰りもタクシーだったが、イタリアで治安の心配はスリや置き引きなどの窃盗犯だけなのでかなり安心だ。知らない国の電車の乗り方やバスの乗り方を体験したり、街を散策するのもオフ日の楽しみであるが、DEATH SIDEのツアーでしか堪能することができないのが残念なところではある。
旧市街で観光を堪能し、そこで食べた食事が非常に美味しかったので、帰りにスーパーで食材を買い込み、宿泊先で料理をしてみんなで呑みながら夜に行われるフェスの初日を待っていた。
イタリアの食事は何もかもが美味しく、日本人の口にもかなり合うので食事で苦労することはないだろう。食事が合うか合わないかも海外ライブでは非常に重要な部分なので、これには非常に助かった。
夜になり会場へ到着すると、敷地内には2つのライブスペースとスケートボードランプが設置されている大きな物販スペースという3箇所の屋内スペースがあるほかに、ピザが食べられる場所と野外の観客がいられるスペースがあるかなり広い会場だった。
アメリカでは別の場所にあるライブハウスなどを使い、街全体を使ったフェスが多いが、イタリアは一箇所で全てが済むようになっていた。
初日は開いていなかったが、スケートボードランプと物販スペースのある場所はかなり広く、そこではライブをやらずにかなり多くのショップや物販が並び、2 日目は楽屋的部分もあるなど、観客や出演者のことを考えたスペースになっていた。
アメリカのライブでは楽屋があるだけで珍しいのだが、大きな会場で楽屋があった場合でも会場規模に見合わない小さな楽屋がほとんどなので、この楽屋はかなり助かった。
様々なショップが出店することも海外フェスの特徴で、ライブに来ればレコードやTシャツが手に入るのは観客にとってかなり嬉しい部分であるし、日本ではほとんど見ることができないライブの楽しみのひとつである。
見たことのないTシャツやレコードがたくさんあったが、ANTIFA(アンチ・ファシズム)が浸透しているようで、そういったデザインのTシャツが多く見られた。イタリアシーンにANTIFAの思いが浸透していることは、観客達の対応でも感じられた。