『Tokyo 7th シスターズ 4th Anniversary Live -FES!! AND YOUR LIGHT-』10月20日公演

777☆SISTERSら更新した“スタートライン” 『Tokyo 7th シスターズ』4周年記念ライブを観て

 『Tokyo 7th シスターズ 4th Anniversary Live -FES!! AND YOUR LIGHT- in Makuhari Messe』が10月20日と21日、千葉・幕張メッセ イベントホールにて開催された。

 『Tokyo 7th シスターズ』(以下:ナナシス)は、アイドル育成リズム&アドベンチャーゲーム。同作のリリース4周年を記念した今回のライブは、2日間を通じて全14組のユニットが集結する初の“フェス形式”で開催。本稿で振り返る初日公演には、777☆SISTERS、SU♡SUTA(きゅうとな)、NI+CORA、SiSH、Le☆S☆Ca、The QUEEN of PURPLE、Ci+LUS、4U、セブンスシスターズの全9組が参加し、それぞれの特色を前面に押し出したステージとなった。また、時にはライブならではの楽曲アレンジにも驚かされるなど、『ナナシス』らしいバラエティに富んだ一夜だった。

 ライブは、777☆SISTERSの新曲「MELODY IN THE POCKET」で幕を開けた。同楽曲は、今年7月に開催された『メモリアルライブ』へのアンサーソングだ。当時の会場で目撃した“青空”を想起させる、実にファン泣かせな選曲である。また、今回のライブではキャストがトロッコで客席近くを周回。普段より身近な距離感で「Cocoro Magical」を披露したところで、次のユニットへとバトンが託された。

777☆SISTERS

 777☆SISTERSを迎え撃ったのが、作中にて伝説的アイドルユニットとして語り継がれるセブンスシスターズ。そのステージで特に印象深いのが、ダンスミュージックを生バンドで解釈したアレンジと、メンバーによるパフォーマンスとの親和性だ。『ナナシス』は2017年4月に開催した『3rd Anniversary Live』以降、舞台裏に生バンドを設けるという、良質なサウンドにこだわったライブを作り上げている。ステージ上の世界観を保つ目的で、多くのアニメ/ゲーム作品のライブではカラオケ音源が用いられているだけに、『ナナシス』はより高レベルな音楽表現を追求していると受け取れるだろう。

セブンスシスターズ

 そのアレンジでも特筆すべきが、エレクトロサウンドの手練れであるkz(livetune)が制作した「Star☆Glitter」「Sparkle☆Time!!」「SEVENTH HAVEN」だ。「Sparkle☆Time!!」には、『ナナシス』の近未来感を象徴するかのように多くのシンセが敷かれており、一方の「SEVENTH HAVEN」には、ダブステップやブロステップの要素を取り入れられるなど、どれもバンド形態で演奏するにはハードルが高い楽曲といえる。

 しかし、前者ではメロディ間のビルドアップを、ドラムのクレッシェンドで表現。また、後者では同期トラックとバスドラムのキックを重ね合わせて、サウンドに厚みを持たせるほか、イントロや間奏部で印象的なスクリュー音は、ドラム以外のビートを抜くことで再現していた。そんな秀逸なアレンジに触発されるように、セブンスシスターズの動きも右肩上がりで躍動感を増していく。また、アイドル的な笑顔からハードな睨みを効かせるまで、表情の振り幅の大きさにも息を呑んだ。多くのアーティストにとって近年、生バンドによるダンスミュージックの再現はひとつの課題となっている。『ナナシス』バンドとセブンスシスターズが、この難しい挑戦をクリアしていたのには、ライブのなかでも特に驚かされた。

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